最後は本命として一番の目的地の戸隠を残しています。
二日目の朝は昨日の団体のほかもう一つ大学の札が増えていてさぞ
朝も渋滞があるかと思いきや朝に現れた大学生は数人で渋滞なく食事の
会場も閑散として始まりました。
また幹事役が現れて食事をしている人たちに話をするのも一遍に行かず
テーブルごとに行われていました。聞こえてくるのはもう今日は滑らないという人は
どこかに待機場所があるとかでそれに応募する人も何人かいてわざわざ長野に来てもう
滑らずに何をするというのかとやり取りをつい聞き耳を立てて聞いてしまうのでした。
彼らの昨日の行動はほぼ私と同じであり、昼は彼らは団体で無料休憩場で弁当を
食べるという寒々しい光景でした。食事場所があるのに冷たい弁当とはという気の毒な
感じがしましたが、昼はフリーでそれぞれ好きなところでどうぞというのではいけなかったのでしょうか。
まあそんなことはよいとして、今日は彼らはまた同じ雪のなくなった飯綱高原で滑るのでしょうか。
そんな事を思いつつ私たちは8時半にはチェックアウトしました。
宿から戸隠まで10K程です。
山道を行くとやがて八方の山々が見えてきて雰囲気が変わります。今まで町らしいものがなく
建物はペンションや別荘ばかりでしたが、普通の民家が現れやがて旅館や宿坊が並び門前町の
ような風情が現れ外国人観光客の姿も見られました。
こんなところにスキー場があるのかという山道を行きペンションやらロッジが現れたかと思うと
突如巨大なコースが現れ見慣れたあの林を串抜きにしたようなコースが見えました。
今まで滑ってきたスキー場も一日滑るには十分な規模がありましたが、こちらは大きさや
施設の多さ、ベースのお店の数も違い大規模スキー場の様相です。構造も至ってシンプルで
二本のリフトを乗り継ぐだけで簡単に最高点に立て快適に飛ばせる斜面や非圧雪急斜面や
圧雪した急斜面など滑りごたえのあるコースがそろっているのです。ベースの施設も規模と
内容ともに今までの所と違いカレーとラーメンなんて食事なこともなく、ベースに店はたくさん
あります。途中廃墟のロッジが雪で屋根がへし折れている光景やゲレンデ内にある閉店している
店など時代を感じるものもありますが、何かの大会が開かれていたりこちらは非常にまだ盛ん
といった面持ちです。こちらも外国人の姿はなく、どこかの大学のリブを付けた団体とか
色々なグループがそれぞれ大声で呼びかっていたりボーダーのグループが一人の指導者に統率され
て動いていたり今までにない雰囲気でした。コースはやはり昨日と同様ガリガリでとりわけ非圧雪の
雪は禿げも多く誰も滑っていないという感じでした。
ここのコースの素晴らしいのは普通よくある上部が上級者下が初心者というような区分けがなく、
初級者でも最高点に立てるしこの見晴らしを楽しめるというところで上級者コースも多彩です。
私も田中陽希の300名山のおかげで山の景色とか山の雰囲気や名前を具体的に知り、いつも眺める
アルプスの景色もより知った山をながめる感じになりました。目の前の戸隠山なども蟻の塔渡りがある
ことや修験道の道だったことや忍者の修業の場だったという伝説も身近に感じるのでした。とはいえ
別に戸隠神社に参拝しようとも観光していこうなどという気も起きませんでした。
ただ、はるか先に見えるリフトの到達点にどうやって行くのだろうと頂を眺めるのでした。
よく見るあの串抜けになった三つのコースに行くにはどうするのかと気持ちは早圧雪の縞々が
残るうちに早く滑ろうという気持ちになるのでした。しかし、メインのクワッドリフトで
大方のコースに行けて取り分け目の前の斜面にも簡単なコースで行けるのです。ただ数が多く
どこから滑って行けばいいのかという事ですが、全部滑りつくすつもりですから
端から滑って行けばよいわけです。
雪はガリガリですが圧雪された中斜面は気持ちよく飛ばせ人工コブラインもリズムと形の違う二種類があり
気が利いています。ただ、細かい方はブッシュが出ているところもあり全体的に雪不足なのかという感じです。
中社というゲレンデの方は非圧雪急斜面なのですが、ブッシュが出ていて滑る人も全くいなくて私は全コース
制覇のため六度は降りているのに一度も他の人と遭遇したりリフトに他人が乗っているという事もあり
ませんでした。
よほど暇なのか私が写真を撮っているとリフト小屋からわざわざ出てきて話そうとするほどです。
後で解ったのはこの中社の駐車場に車を止めてスキーをすれば帰りにわざわざあの細い道で温泉に来なくても
スキー場の駐車場から歩けるのです。そうすればどろどろの温泉の駐車場に車を入れなくても済みます。
しかし、有名な蕎麦もこの温泉もどうしても味わうべきというものだろうかという気もします。
八方や志賀に行くより近いから来てもいいかという程度でベースに泊まりたい宿もないし温泉宿もないと
なるとここでリゾート感を感じるという事にはどうしてもなれないというのが今回のこの界隈の
スキーでの感想です。斑尾や野沢、志賀に八方と温泉とリゾートにはあまりにライバルは巨大で
有能です。
ただ、山を眺めながら滑る滑走感や新雪降りたての未圧雪急斜面はさぞ心地よいだろうとその時季には
訪れる価値があるかもしれません。雪質も三日間の中では一番よく、コースの数や滑りごたえでは
抜群に良いと言えます。蕎麦ももちろん食べました。ラクレットが有名なゲレンデ内にある山小屋風の
レストランも寄りましたが別に他にもこう言う所は寄ったことがあるしいまさらという感じです。
今でも四つのスクールが存続するなど人気は万全なのかもしれません。長野駅からシャトルバスも出ていて
それとリフト券のセットなども売りに出ているようです。長野インターより30分という利便性と長野という
都市部からいきなりリゾート地と山岳地帯の風景を楽しめるという立地など生かせるものや可能性も
ある地であると感じます。今回三つのスキー場を巡りましたが、皆公共団体のようなところの経営で
十分にマネージメントできていない感じは感じました。安くて空いているという現状をより生かし
決して地元の雇用を消したり、廃止してしまう事のないようより良い発展のためにマネジメントして
ほしいと思いました。