私は何をこの山に要求していたのでしょうか。
昨年の雪崩でスキーツアー客が2名死亡して、
ツアーガイドが書類送検されたという新聞記事は
読んでいます。そんな山岳コースでなくて、普通に
ロープウェイからの公設のコースでさえ毎年遭難者
が出るという話も聞いています。
まずはどんなスキー場なのか、そして様子がよければ
ツアーも参加してみようと思っていました。今年は、
スキー場や雪山での遭難やなだれ事故、死亡事故
が多く報じられていて、それらは皆次には自分にもという
警告のようでもあり、反面無理をしたり、コース外や禁止
されている地域や無謀なところを滑る人たちに訪れる
ケースであり、あくまで他人事という受け止め方も少なからず
ありました。
雪深いところを滑ってみたい。誰も滑った跡のない新雪
斜面を滑ってみたいとは誰もが思うことです。ですが、なかなか
ゲレンデでは望むべくもなく、どこのゲレンデは雪質がいいとか
どこのゲレンデは、パウダーを求めてオーストラリア人が多いとか
そんなうわさを耳にするのです。
しかし、そこで私は思うのです。別に雪質は問わないし、
別にまっさらの斜面でなくてもいいのです。あの2年前の
八海山のように埋もれるような雪と戯れてみたいとはいつも
思っています。私は、あの時の体験から何度も新雪や深雪
を滑っていますが、もはやひざ位の雪では面白くもなく、
新雪だと喜びもしません。
雪深い八甲田ならとターゲットを絞ったのだと思います。
別にツアーでなくても、スキー場のコースを滑っても深雪を
味わえるものと思っていました。ツアーは、ガイド料とビーコン
や保険料で結構高い物につきます。しかし、せっかく来たの
ですから、ツアーに出ることにします。集合場所に集まって
いると、何の説明もないまま、9時にバスが出て、9時20分の
始発のロープウエイに乗ります。
それも何の指示もなく、どんな予定でどんなコースということ
も聞かされないまま、山頂駅に着くと40分にツアー出発ですと
告げられます。そんなわけであわてず、支度してストレッチなども
しておきます。外は霧のような時たま吹雪のような今時の山の
天気です。時間になるので、板を持って外に出ます。他の人も
続々と出てきてそのまま山を板を担いだまま登ります。視界は
何メートルもなくただ前の人の足元を見ながらついて行き、
10分ほど上って板を履き、今度は歩きです。
とにかく初参加なので、様子が解らないからガイドの近くを
ただひたすら登り、遅れないように滑りました。ガイドの付けた轍
以外は柔らかいので、ちょっと下手に足を踏み入れればずぶずぶと
踏み込んでしまいます。アルペンの板とブーツとストックなのは
私だけで、他の人はほとんど常連で山スキー装備かテレマーカー
です。一応、パンフレットなどでは飲み物や非常用食料、ゴーグル
帽子、ネックウォーマーなどが必携となっています。
私などは、助けてもらう方だからゾンデ棒やスコップなどは
いらないし、もっていくつもりもありませんから、いつものウエスト
バックだけです。一本で一食分のカロリーがある非常食と飴を
持って行きましたが、この時期はそんな遠くまで行かないので
よっぽと変なはぐれ方でもしない限り使うことはないでしょう。
視界が悪いのと雪と時たま風を受け、とにかくガイドの背中を
追うこと40分くらい登りが続いたでしょうか。途中後続が来るまで
待ったりして止まる時に直ぐにタバコを吸い始める人がいて、
バックカントリーまで来てなんでタバコ吸うんだよと顔を歪めて
しまいました。私の貧弱な装備でも果敢に上りきり、その努力を
認めてくれたのかガイドの後のファーストトラックを私に譲ってくれ
ました。
えーこんなおいしいところをいただいて良いんですか。
こんなすばらしいところにすばらしい人たちだと感激しました。
少し遅れそうになったときには励ましてもらったり5番目くらいが
楽だと教えてもらったり、その上こんな極上斜面を行っていい
とは。
実にいいところだ。そう思いました。そしていただきました。
続く人たちの滑りを見ると、声を挙げて次々に下りてきます。
フォー、オーといいつつ半分位の人が前転したりコケ捲くりです。
なんだみんなへたくそじゃねえか。
そして派手に転ぶとギャラリーは大受けです。私を先に滑らせた
のも半分はどれどれどれだけ滑れるかお手並み拝見というのも
あったんじゃないかとかんぐってしまいます。しかし、この程度の
新雪ではもう驚かないんだって。
それにしても次々派手に転ぶなあ。20人くらいいて半分以上が
テレマーカーです。
この大斜面をテレマーカーであえて刻んでくるうまい人もいたけど
派手に雪煙を上げているだけの人も多く、まあ何を主眼にして
いるのかと言う感じですが、みんなこの雪を楽しんでるんだなあと
大斜面を滑り降りたら一気にお互いの距離が近くなった感じ
でした。
だんだん降りるに従い視界も効くようになり、後半はツリーラン
になります。木を抜けると下には宿のバスが待っています。
ほう、なんか至れり尽くせりです。こんな極上斜面とツリーランと
お迎えまであって、これでまた午後は違うコースが待っている
のです。午後のコースは短くて、下のロープウエイの駅に3時
20分の最終のロープウェイに間に合ったので、それに乗り、
ダイレクトコースを滑ってみます。
滑り出したのは私ひとりで、宿の最終のバスが4時なので
それに間に合うか気にしながらの滑走でした。しかし、
今まで極上斜面とパウダー三昧だったので、こんなコース
だけ繰り返して滑ってもつまらないと明日もツアーに参加
しようと決めて宿に帰りました。
昨年の雪崩でスキーツアー客が2名死亡して、
ツアーガイドが書類送検されたという新聞記事は
読んでいます。そんな山岳コースでなくて、普通に
ロープウェイからの公設のコースでさえ毎年遭難者
が出るという話も聞いています。
まずはどんなスキー場なのか、そして様子がよければ
ツアーも参加してみようと思っていました。今年は、
スキー場や雪山での遭難やなだれ事故、死亡事故
が多く報じられていて、それらは皆次には自分にもという
警告のようでもあり、反面無理をしたり、コース外や禁止
されている地域や無謀なところを滑る人たちに訪れる
ケースであり、あくまで他人事という受け止め方も少なからず
ありました。
雪深いところを滑ってみたい。誰も滑った跡のない新雪
斜面を滑ってみたいとは誰もが思うことです。ですが、なかなか
ゲレンデでは望むべくもなく、どこのゲレンデは雪質がいいとか
どこのゲレンデは、パウダーを求めてオーストラリア人が多いとか
そんなうわさを耳にするのです。
しかし、そこで私は思うのです。別に雪質は問わないし、
別にまっさらの斜面でなくてもいいのです。あの2年前の
八海山のように埋もれるような雪と戯れてみたいとはいつも
思っています。私は、あの時の体験から何度も新雪や深雪
を滑っていますが、もはやひざ位の雪では面白くもなく、
新雪だと喜びもしません。
雪深い八甲田ならとターゲットを絞ったのだと思います。
別にツアーでなくても、スキー場のコースを滑っても深雪を
味わえるものと思っていました。ツアーは、ガイド料とビーコン
や保険料で結構高い物につきます。しかし、せっかく来たの
ですから、ツアーに出ることにします。集合場所に集まって
いると、何の説明もないまま、9時にバスが出て、9時20分の
始発のロープウエイに乗ります。
それも何の指示もなく、どんな予定でどんなコースということ
も聞かされないまま、山頂駅に着くと40分にツアー出発ですと
告げられます。そんなわけであわてず、支度してストレッチなども
しておきます。外は霧のような時たま吹雪のような今時の山の
天気です。時間になるので、板を持って外に出ます。他の人も
続々と出てきてそのまま山を板を担いだまま登ります。視界は
何メートルもなくただ前の人の足元を見ながらついて行き、
10分ほど上って板を履き、今度は歩きです。
とにかく初参加なので、様子が解らないからガイドの近くを
ただひたすら登り、遅れないように滑りました。ガイドの付けた轍
以外は柔らかいので、ちょっと下手に足を踏み入れればずぶずぶと
踏み込んでしまいます。アルペンの板とブーツとストックなのは
私だけで、他の人はほとんど常連で山スキー装備かテレマーカー
です。一応、パンフレットなどでは飲み物や非常用食料、ゴーグル
帽子、ネックウォーマーなどが必携となっています。
私などは、助けてもらう方だからゾンデ棒やスコップなどは
いらないし、もっていくつもりもありませんから、いつものウエスト
バックだけです。一本で一食分のカロリーがある非常食と飴を
持って行きましたが、この時期はそんな遠くまで行かないので
よっぽと変なはぐれ方でもしない限り使うことはないでしょう。
視界が悪いのと雪と時たま風を受け、とにかくガイドの背中を
追うこと40分くらい登りが続いたでしょうか。途中後続が来るまで
待ったりして止まる時に直ぐにタバコを吸い始める人がいて、
バックカントリーまで来てなんでタバコ吸うんだよと顔を歪めて
しまいました。私の貧弱な装備でも果敢に上りきり、その努力を
認めてくれたのかガイドの後のファーストトラックを私に譲ってくれ
ました。
えーこんなおいしいところをいただいて良いんですか。
こんなすばらしいところにすばらしい人たちだと感激しました。
少し遅れそうになったときには励ましてもらったり5番目くらいが
楽だと教えてもらったり、その上こんな極上斜面を行っていい
とは。
実にいいところだ。そう思いました。そしていただきました。
続く人たちの滑りを見ると、声を挙げて次々に下りてきます。
フォー、オーといいつつ半分位の人が前転したりコケ捲くりです。
なんだみんなへたくそじゃねえか。
そして派手に転ぶとギャラリーは大受けです。私を先に滑らせた
のも半分はどれどれどれだけ滑れるかお手並み拝見というのも
あったんじゃないかとかんぐってしまいます。しかし、この程度の
新雪ではもう驚かないんだって。
それにしても次々派手に転ぶなあ。20人くらいいて半分以上が
テレマーカーです。
この大斜面をテレマーカーであえて刻んでくるうまい人もいたけど
派手に雪煙を上げているだけの人も多く、まあ何を主眼にして
いるのかと言う感じですが、みんなこの雪を楽しんでるんだなあと
大斜面を滑り降りたら一気にお互いの距離が近くなった感じ
でした。
だんだん降りるに従い視界も効くようになり、後半はツリーラン
になります。木を抜けると下には宿のバスが待っています。
ほう、なんか至れり尽くせりです。こんな極上斜面とツリーランと
お迎えまであって、これでまた午後は違うコースが待っている
のです。午後のコースは短くて、下のロープウエイの駅に3時
20分の最終のロープウェイに間に合ったので、それに乗り、
ダイレクトコースを滑ってみます。
滑り出したのは私ひとりで、宿の最終のバスが4時なので
それに間に合うか気にしながらの滑走でした。しかし、
今まで極上斜面とパウダー三昧だったので、こんなコース
だけ繰り返して滑ってもつまらないと明日もツアーに参加
しようと決めて宿に帰りました。
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