金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

33:酒見賢一 『分解』

2011-04-16 09:03:23 | 11 本の感想
酒見賢一『分解』 (ちくま文庫)
★★★☆☆

【収録作品】
「ピュタゴラスの旅」
「エピクテトス」
「分解」
「音神不通」
「この場所になにが」
「泥つきのお姫様」
「ふきつ」
「童貞」

短編集。
古代中国の、河の氾濫におびやかされる部族社会を
舞台にした「童貞」がいちばん良かった。
わりとボリュームがあるので、きちんと作品世界が
構成されている。
ピュタゴラス、エピクトスを主人公にした最初の二編も
読ませる。
わたしに先入観があってそう感じるのか、
作者に得手不得手があるのか、よくわからないけど、
この人の作品は古代を舞台にしたもののほうが、
現代ものよりも断然おもしろい。
今回はたまたま現代ものが、わたしのあまり好きじゃない
ショートショートっぽいやつだったからかもしれないけど。
ひたすら分解の過程が書かれている「分解」は、
読むのが苦痛で大部分を斜め読みで済ませてしまった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする