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★★★★☆
【収録作品】
「見ろ、空は白む」
「いちごに朝露、映るは空」
「雨にとびこめ」
「どこまで行けるか言わないで」
「リベンジ・リトル・ガール」
「花束なんかになりたくない」
「野性時代」に掲載されていたものを収録した連作短編集。
大学生になれば、東京に行けば、
なにか素敵なことが起こるように思えて、
だけどその素敵なことは誰にでも起こるわけではなく
何者にもなれないまま学生時代は過ぎていく。
そんなさえない大学生六人の物語。
登場する人物が重なっていて、
それぞれちょっとずつリンクしているので
後日談のような様子を見られるのがうれしい。
ああ、こんな風景ってあったなあ……というなつかしさと、
ちょっと目をそらしたくなるような痛み、
登場人物というより「人生の一時期」に対するいとおしさ。
「いちごに朝露、映るは空」と「どこまで行けるか言わないで」が
好き。
わたしは眼鏡男子好きではないけれど、
アズマくんに最高にときめいた……
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