金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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31:豊島ミホ 『神田川デイズ』

2011-04-05 21:49:10 | 11 本の感想
豊島ミホ『神田川デイズ』(角川書店)
★★★★☆

【収録作品】
「見ろ、空は白む」
「いちごに朝露、映るは空」
「雨にとびこめ」
「どこまで行けるか言わないで」
「リベンジ・リトル・ガール」
「花束なんかになりたくない」

「野性時代」に掲載されていたものを収録した連作短編集。
大学生になれば、東京に行けば、
なにか素敵なことが起こるように思えて、
だけどその素敵なことは誰にでも起こるわけではなく
何者にもなれないまま学生時代は過ぎていく。
そんなさえない大学生六人の物語。
登場する人物が重なっていて、
それぞれちょっとずつリンクしているので
後日談のような様子を見られるのがうれしい。
ああ、こんな風景ってあったなあ……というなつかしさと、
ちょっと目をそらしたくなるような痛み、
登場人物というより「人生の一時期」に対するいとおしさ。
「いちごに朝露、映るは空」と「どこまで行けるか言わないで」が
好き。

わたしは眼鏡男子好きではないけれど、
アズマくんに最高にときめいた……
コメント
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