尾崎英子『きみの鐘が鳴る』
★★★★☆3.5
【Amazonの内容紹介】
チアダンス部の活動に憧れて、青明女子中学校を目指しているつむぎ。
同じ体操クラブに入っていて塾も同じのクラスメイトとうまくいかなくなり、
5年生の終わりに転塾することに。
新しい塾「エイト学舎」には、いろいろな子がいた。
父親に厳しく管理指導される涼真。
マイペースで得意不得意が凸凹している唯奈。
受験に失敗した姉とずっと比べられている伽凛。
受験をする事情や環境、性格、目指す学校もそれぞれ違う4人の物語。
****************************************
先輩から借りた本。
中学受験の過熱ぶりを反映してか、中学受験小説も増えたね。
受験に前のめりになって、息子をエリート中学に入れようと躍起になった父親が、
細かく計画表を作ってできないと怒鳴り、子どもを追い詰めたり、
冷静なときには子どもに寄り添える母親が、不合格続きの子どもをののしり、
責めてしまったり、
上の子の「失敗」によって下の子の受験でそれを意識しすぎてしまったり。
父親に対して母親がストッパーの役目を果たそうとしたり、
母親がちゃんと我に返って反省したりしているあたり、
ソフトな優しい世界。
子ども向けのレーベルだし、子ども視点の物語ではあるのだけども、
子どもより親の「あるある」集になっていて、
基本的には「子どもは悪くない」スタンス。
第4章では、思いがけずぼろ泣きしてしまった。
学校がしんどくても、親がきちんと子どものことを理解して
心を痛めてくれているというだけで、かなり救いになると思うよ。
第5章、結局母親は姉にばかり注意が向いている点では
変わっていない気がした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます