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【Amazonの内容紹介】
諏訪領、北の国境で 瘴奸率いる悪党が非道な侵略を開始し、
大人は皆殺しにされ、幼子だけが村に残されていた。
時行は二刀使いの青年・吹雪と出会い、
彼の緻密な策略で悪党の追撃を凌いでいたことを知る。
時行の逃げ上手に着目した吹雪は、敵大将を討ち取る奥義を授ける…!
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地味な時代・人物・事件で、ここまできちんと
エンタメにしてるのすごい……
というのは1・2巻からずっと思ってるのだけど、
今回は恐れ入った。
悪党とはなんぞや? というところから始まって、
武士の相続のあり方、信仰心、
「不思議」に対する感覚の変化に触れて、
人物や事件だけでなく、
「時代」をちゃんと描こうとしている。
これ、もし私が書こうと思ったら(書けないが)、
説明だらけになっちゃうだろう。
「時代」を描くかわりに、この漫画、割と思い切りよく
説明を放棄しているところもあるのだった。
執権なんて 「総理大臣的なもの」 で済ます雑さ。
しかし、少年ジャンプ的には、これが正解だよね。
小学生や中学生に、より正確な説明をしたところで
入っていかないだろうし、
「なんか知らんが偉い人」くらいの認識でも、
なんとなく作中の雰囲気で感じ取れるものもあるだろうし。
そして、その取捨選択もちゃんと理由があってのことで、
メインストーリーの理解に最低限必要な情報だけを
選んでいるのであった。
初登場の吹雪くん、素性が一切明かされていない。
あんまりにもナチュラルだから、
違和感なく話が進んでいるんだけど、
重要な設定があるだろうな。
おそらく史実通りに、頼重は挙兵からそれほど経たないうちに
死んでしまうであろうことを思うと、
最後のやりとりにはほろっときてしまう。
小笠原の株は上がる一方。
なにこのおっさんアゲ。
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