金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

映画:『その土曜日、7時58分』

2012-04-20 17:38:55 | 映画の感想
映画『その土曜日、7時58分』(シドニー・ルメット監督)
★★★☆☆

会社の重役のアンディは、弟のハンクに強盗の計画を持ちかけた。
裕福でエリートに見えたアンディは、麻薬に手を出し、
会社の金を使い込んでいたのだった。
離婚し、娘の養育費の支払いも滞っていたハンクは、
迷いながらも兄の計画に乗ることになる。
押し入る先は、実の両親が経営する宝石店。
損害は保険でカバーでき、誰も傷つかない計画のはずだったが、
ひとつの誤算が最悪の事態を招き、それをきっかけに
徐々に家族の真実が明らかになっていく。

**************************************

邦題より、原題の『Before the Devil Knows You're Dead』のほうが
ムードがあるなあ。

カットバックの多用が、徐々に真実を明らかにしていくのだけど、
それで逆にストーリーの勢いが半減してしまった感もある。
前半のカットバックの連続にはちょっと疲れてしまった。
後半の兄弟の追い詰められた状況と、父を含めた家族間の関係が
徐々に明らかになっていく展開には引き込まれる。
思わず息をひそめて見てしまったほど。

自分自身は実感した記憶がまったくないのだけど、
長子は、「奪われる存在」なんだよね~。
あとからやってきた弟や妹に、親の愛情を奪われる。
アンディの場合は、弟に奪われたそれが戻ってこなかったわけで、
弟に声をかけた理由の根底にその事実があったと思うと
やりきれない。
しかも、別のものも奪われていたことが発覚するわけだし。
そして、同じ自分の子でも、好き嫌いってあるよね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする