金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

271:永井路子 『闇の通い路』

2020-12-20 13:22:32 | 20 本の感想
永井路子 『闇の通い路』 (文春文庫)

【Amazonの内容紹介】

築地の破れめから往きあう隣家の人妻との密通が
幕府をゆるがす事件に。
平安末期から鎌倉期の人間模様をいきいきと描く
魅力の八篇

********************************
 
あ~~!! 
もう『鎌倉殿の13人』が楽しみすぎて
頭がおかしくなりそう!!
……なのだけど、まだまだ一年以上先なのよね……。

というわけで、昔読んだ永井路子の名前も憶えていない
短編を探して読んだのがこの本。
結果的には、この本に探していた話はなかったんだけど、
なかなかよかった。
☆が平安もの、★は鎌倉もの。
平安ものふたつは、もやもやしてすっきりしない。

「お告げ」☆
お告げにすがった女の運命は。

「その眼」☆
名国司と名高い男の裏の顔。

「わが殿」★
牧の方の兄・牧宗親の話。
マニアックすぎるところにスポットライトを
あててくれる永井先生、好き!!

「重忠初陣」★ 
畠山重忠はできすぎたイケメンなんだよな!
どこに出てきてもかっこいいじゃん!

「闇の通い路」★
邸の隣りあった御家人同士の間に起こった諍い。
不倫が思わぬ騒動に。

「猪に乗った男」★
「謀反」に到るまでの仁田忠常の人生。
まさか仁田忠常主役の小説があろうとは。

「雨の香り」★
吾妻鏡に記載された小事件をもとにした話。
タイトル通りのしっとりとした、
ちょっとエロスも感じる短編。

「宝治の乱残葉」★
好き!
身分違いのひそかな、叶わぬ恋。いいねえ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画:『日本のいちばん長い日』

2020-12-20 13:01:03 | 映画の感想
2020年の映画⑰:『日本のいちばん長い日 』(原田眞人 監督)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

1945年7月。
太平洋戦争での戦況が悪化する日本に対して、
連合軍はポツダム宣言の受託を迫る。
連日にわたって、降伏するか本土決戦に突き進むかを
議論する閣議が開かれるが結論を一本化できずにいた。
やがて広島、長崎に原爆が投下され、
日本を取り巻く状況はさらに悪くなっていく。
全国民一斉玉砕という案も取り沙汰される中、
阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)は決断に悩み、
天皇陛下(本木雅弘)は国民を案じていた。
そのころ、畑中健二少佐(松坂桃李)ら若手将校たちは
終戦に反対するクーデターを画策していた。

***********************

アマプラにて。
リメイク版。

結果を知っている後世の人間が当時の人々のことを
愚かだと言うのはナンセンスだと思うんだけど、
「陸軍/国民はみんな戦う気です!」とか、
「いやいや、あなた、それあなたの希望でしょ」
という内容が「事実」として語られてしまうのって、
怖いね。
当時ばかりではなく、現在だって
そういう場面はたくさんあるけれど。
若い将校たちが「これしか道はない!」と思い込んで
その道をひた走っちゃうのが、何だか切ない。

そして、結果としては無駄死にだったとしても
そんなふうに命を散らしていくことを、
何か、青春の輝きに似たようなものとして
とらえてしまう自分。
当時生きていたら愚かな行動に走っただろうな……。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする