永井路子 『闇の通い路』 (文春文庫)
【Amazonの内容紹介】
築地の破れめから往きあう隣家の人妻との密通が
幕府をゆるがす事件に。
平安末期から鎌倉期の人間模様をいきいきと描く
魅力の八篇
********************************
あ~~!!
もう『鎌倉殿の13人』が楽しみすぎて
頭がおかしくなりそう!!
……なのだけど、まだまだ一年以上先なのよね……。
というわけで、昔読んだ永井路子の名前も憶えていない
短編を探して読んだのがこの本。
結果的には、この本に探していた話はなかったんだけど、
なかなかよかった。
☆が平安もの、★は鎌倉もの。
平安ものふたつは、もやもやしてすっきりしない。
「お告げ」☆
お告げにすがった女の運命は。
「その眼」☆
名国司と名高い男の裏の顔。
「わが殿」★
牧の方の兄・牧宗親の話。
マニアックすぎるところにスポットライトを
あててくれる永井先生、好き!!
「重忠初陣」★
畠山重忠はできすぎたイケメンなんだよな!
どこに出てきてもかっこいいじゃん!
「闇の通い路」★
邸の隣りあった御家人同士の間に起こった諍い。
不倫が思わぬ騒動に。
「猪に乗った男」★
「謀反」に到るまでの仁田忠常の人生。
まさか仁田忠常主役の小説があろうとは。
「雨の香り」★
吾妻鏡に記載された小事件をもとにした話。
タイトル通りのしっとりとした、
ちょっとエロスも感じる短編。
「宝治の乱残葉」★
好き!
身分違いのひそかな、叶わぬ恋。いいねえ。