お役所?も たまにはいい仕事をするじゃあないですか。
週末、ご縁があって観に行ったのが
こちら
上野の東京文化会館での公演です。
ギリシャ悲劇「王女メディアの物語」
/人形劇俳優たいらじょう×古楽アンサンブル
異彩を放つ人形劇俳優たいらじょうと古楽アンサンブルによる異色のコラボレーション
狂気の王女、メディアのドラマに迫る
独自のスタイルで注目を集める人形劇俳優たいらじょうによる斬新な演出、ダンボール素材で作り上げる人形と舞台。人形劇とバロック音楽が融合した独創的なステージで、ギリシャ悲劇の代表作を取り上げ、人間の情念に迫ります。
人形劇というと、プラハの観光ルートで観た「フィガロの結婚」や、文楽くらいしか思い浮かばないし、一体どんなもの?、と思っていたら、、、、、、、
「たいらじょう」さんが2時間半、段ボールで作られた等身大(的な)人形をとっかえひっかえ抱え操り、語り続ける、ものでした。
それぞれの人形のキャラクターを声色その他で演じ分けるのは、一歩間違えると「俺たちひょうきん族(なんのこっちゃ?)」になるのですが、全身全霊を込めてやっていること、そして生身の音楽(古楽アンサンブル)が一緒になることでまさに「総合芸術」になっています。
いや、素晴らしかった。
古楽アンサンブルは個人的にはよく聞く機会もあるので珍しくはないのですが、「劇」と一緒に奏でられることで何倍も印象が強くなりますし、数人(今回は笛2、弦5、チェンバロ1の8人)で世界を作ることのできる古楽アンサンブルの良さが際立ちます。
(リュリ「アルミード」のパッサカイユや、ルベル「四代元素」のカオスなど、まさにバロック・オペラ。宮廷バロックの本質かも。ドラマティックな場面で演奏されたヴィヴァルディ「ムガール大帝」「夜」「ラ・フォリア」も味が出てました)
人形遣いの「たいらじょう」さんは古楽には全く無縁だったということですので、曲目などはやはり音楽監修のセバスティアン・マルクさんなどが相談しながら決めたのでしょうか。これにも拍手、というか、音楽家冥利に尽きる気がします。
テープなどの音源が使われることが多い演劇ですが、数人の「古楽アンサンブル」とのセットで演ずることにより、(コストもそう上がらないはずですし)多大な効果ある!こと間違いなし。
聞く・演るという趣味の側では人口が増えているけど、職業という点ではなかなか拡がりが難しいと言われる古楽の世界も、新たな活路が見いだせるかも。
しかし、この公演、本当に一からの創造で、「合わせ」の練習も大変だったと思います。一日限り、というのは本当にもったいない。
(段ボールの人形の耐用期間という問題もありますけど)
「たいらじょう」さん、古楽アンサンブル「アンサンブル・レ・ナシオン」さん、お疲れ様でした。
そしてこのコラボを支えた東京文化会館さん、これこそお役所(?というか、non-profitの組織)のやることです。素晴らしい!!
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