前に野球とラグビーの話をしましたが、複雑なスポーツでは選手もいろいろな選手が必要とされます。トップレベルの世界では、みな同じような実力の選手が必要とされるのでしょうが、一般的に野球やラグビーは、いろいろなタイプの選手がいます。
ラグビーでいえば、スクラムを組むフォワードは、ただ太っていればいいわけではなく、最前列の左右の二人は、プロップといって大抵チームで一番重くてパワーのある人がなります。真ん中の人は、フッカーといってスクラムに入れられたボールを確保する人で、ラインアウトでボールを投げ入れる役目もしますから、単なるパワーではなく、ボールを扱う器用さも必要です。二列目のロックは、ラインアウトでボールを捕ったりするために、背の高い人が向いています。その脇を固める三列目のフランカーは、フォワードですが、スクラムから離れて走る走力も必要です。一番最後のナンバー8は、スクラムのパワーとバックスの走力を持った人が向いています。スクラムにボールを入れ、ボールを出すスクラムハーフは、機敏さが必要とされるため、小柄な人がやることが多いようです。160cmくらいの体の人でも100キロを越す大男とぶつかりあうのだから大したものです。スクラムハーフからボールを受けて、バックスに回したり、キックしたり、試合をコントロールする指令塔がスタンドオフです。スクラムハーフとスタンドオフは、フォワードとバックスの中間に位置することから、ハーフ団と言われます。バックスは、文字通り後ろでボールを受け取り走ることが求められますが、スタンドオフに近いセンターバックは、守りの時に相手をつぶす守備力も大切です。一番外に位置するウィングは、チーム一の走り屋がなります。一番後ろに陣取るのが、フルバックで、守りの最後の要であると同時に、状況によっては、カウンター攻撃に出る走力が必要とされます。このように、15人のいろいろな役割があり、いろいろな能力が必要とされるので、いろんな人が必要とされるのです。
野球も同じように、守りの時にはピッチャー、キャッチャー、内野(内野の中でもファースト、サード、ショート・セカンドはそれぞれ役割が違います)、外野とそれぞれの役割があり、打撃でも、パワーヒッターも必要ですが、出塁率の高い選手も必要ですし、バントがうまい選手、ミートがうまい選手、足が速い選手など、いろいろな選手が必要なことはみんな知っているよね。つまり、いろいろな選手が必要なわけだから、自分がどんな持ち味を持っているのかを考えて、自分のいいところを伸ばすことが大切だということです。もちろん、その前に基本はしっかり身につけないといけないけど、その上でどうしたら、自分のいいところが生かせるか考えれば、いい結果が出ます。みんながみんな、ホームランバッターである必要はありません。自分のいいことろをしっかり出せるようにがんばろう!