プロ野球は終盤戦を迎え、両リーグとも上位は混戦で大いに盛り上がっていいはずなのに、今一つ盛り上がりに欠けるように感じるのは、管理人の気のせいでしょうか。
管理人は松井秀喜がアメリカに渡ってからはプロ野球への関心が薄れているので、そう感じるのかも知れませんが、それでもこれだけ上位が競っているのに、イマイチという感は拭えません。一つには、昨年の巨人不振でTV中継が大幅に減ったことが影響しているかもしれません。中継していれば、それなりのファンもそれなりにTV観戦し、それなりに盛り上がっていたかもしれません(球場に足を運ぶ熱烈なファンや、ローカル局で中継があるソフトバンクなどはしっかり盛り上がっているのでしょう。おそらく)。もう一つは、セ・パともにクライマックスシリーズという名のプレーオフが導入され、3位に入ればとりあえずOKということも影響しているでしょう。賛否はあるものの、それなりの効果をあげているのも事実でしょうが、やはりレギュラーシーズンの真剣勝負の意味を薄くしているのも事実でしょう。ましてや、24チーム中8チーム(1/3)に優勝のチャンスがある大リーグと比べても、12チーム中6チーム(半分)に優勝のチャンスがあるというのは、ちょっとどうかと思います。でも、最大の原因は、球界の顔ともいえる選手たちが、次々とメジャーに渡り、それを埋めるスターが育っていないことではないでしょうか。オジサン山崎武志のガンバリは大いに結構ですが、やはり若いハツラツとした選手の活躍は刺激になりますし、ローズやウッズといった外国人パワーヒッターの活躍ばかりでは興味が薄れます。それにスターがいないなら、いないなりに、エキサイティングな真剣勝負の試合をしたり、新庄選手のようなファンサービスに努めればいいのに、それも感じません。やはりスポーツは、血沸き肉踊る感動がほしいですね。
長嶋監督の「メークドラマ」が流行語になった年はまさしく劇的な展開で大いに盛り上がりました。高校野球では、松坂とPL学園の激闘も記憶に新しいですし、昨年の早実・斉藤と駒大苫小牧・田中の投げ合いもプロ野球よりも感動を与えました。野球以外でも、古い話になりますが、ロス五輪・柔道で大本命だった山下泰裕が準決勝で足を痛めながらエジプト・ラシュワンを破った一戦や、平尾・大八木といったスター選手をそろえ大学ラグビー三連覇を狙う同志社相手に捨て身のタックルで応戦し、最後微妙な判定で敗れたものの王者をギリギリまで追いつめた慶応の一戦、近いところでは小泉首相に「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」と言わせた貴乃花、サングラスを投げ捨て勝負に出て金メダルをもぎとった高橋尚子など、ギリギリの限界に挑むような戦いを見せてくれたアスリートたちは、単なる「スポーツ」という枠組みを超えた躍動感、生き様を表現していたと思います。
名勝負と呼ばれるような戦いは、毎日見られるものではないでしょうが、毎日真剣勝負で全力を注がなければ、何年やったところで、名勝負など生まれないでしょう。プロ野球は長丁場ですから、もちろん休養は大切なのですが、それと試合中にチンタラすることは別モノです。「プロ」と名乗る以上、いつも緊張感漂う真剣勝負を見せてほしいものです。