今日、日米野球の第1戦が行われ、メジャー代表をヒット3本無得点に抑え、侍ジャパンが0対2で勝利しました。
かつて、と言っても私がプロ野球に熱中していた20年も30年も前の話ですが、日米野球といっても、完全な親善試合ムードで、あまり真剣勝負感はありませんでした。
それが、野茂をはじめ日本人選手が海を渡り、メジャーリーグもアメリカ人だけでなく、ドミニカ、メキシコ、キューバなど海外選手が多くを占めるようになり、曲りなりにもですがWBCという世界大会が開かれ、日本が第1回・第2回と連覇するに至り、メジャーの本気度もだいぶあがってきたように感じます。
以前は、新聞社招待でお祭りムードのメジャー選抜と日本も単独チームとの対戦で、親善試合の域を出なかったことが多かったですが、今回はメジャーもかなりいい選手が選抜されているようですし、日本は次のWBCを見据えた侍ジャパンということで、どちらも本気モードです。
主審はメジャーと日本側と交互に務めるようですが、初戦はメジャーの審判だったので、ストライクゾーンの違いも見どころでした。また、試合球はWBC試合球を使うため、その球の感触の違いも注目でした。
そんな中、日本はエース前田健太が初回は若干球の感触に慣れない感じでしたが、5回を完ぺきに抑えました。
対するメジャーは、今季新人ながら16勝を挙げたシューメーカーでした。しかし、この新人28歳でした。150km前後のスプリットをコーナーギリギリに決める好投手で、今季4敗しかしていないのも納得の投球でした。しかし、この投手、高校・大学でドラフトにかからず、ドラフト外で入団したものの5年鳴かず飛ばずだったため、28歳で新人ということだそうです。
こんなところに、メジャーの裾野の広さを感じます。マイナー球団がない日本では、ドラフト外で入団し5年鳴かず飛ばずで続けることはまず無理でしょうね。早ければ、2年、3年で辞めていくこともざらです。最近でこそ、地方の独立リーグがそういう人たちの受け皿になったり、独立リーグからのプロ入りも増えてきましたが、NPBの球団との統合組織化や、球団運営の経営改善努力などを行い、野球の裾野拡大につなげてほしいですね。
閑話休題。前田の後を牧田がつなぎ、8回には期待の大谷翔平が登場しました。誰もが知っている通り、大谷は高校卒業時、メジャー挑戦を表明していました。日本ハムの強行指名で日本ハムに入団しましたが、より高いレベルで挑戦したいという気持ちは同じでしょう。そういう意味で、今日は緊張とともに楽しくて仕方がなかったのではないでしょうか。
まだ20歳で、恐らく両チームで一番若く、メジャーの監督ももっとも注目していた選手です。そして、観客もそれは同じだったに違いなく、騒々しい応援は影をひそめ、一球一球に固唾をのみました。ピッチング練習では、150km前後で制球もイマイチでしたが、プレーが始まると、152km、155km、157kmと球速をあげていき、最速は159kmでした。そして、もちろん本気のメジャーリーガー相手に、直球主体で攻め、詰まったライトフライ、レフトフライ、一塁ゴロと見事三者凡退で抑えました。二巡、三巡したらどうか分かりませんが、この1回は見事でした。
しかし、もともと本気のメジャーリーガーも、この敗戦や大谷のピッチングでますますスイッチが入ったのではないでしょうか。昔とは違う、真剣勝負の日米野球の残り4戦も楽しみですね。