これまでも何度か書いていますが(「スポーツサンデー」)(「田口だ、高木だ、大谷だ!」)(「巨人・高木勇人、完封勝利!」)、プロ野球のこの春の主役は、パ・リーグ日本ハムの大谷翔平と、セ・リーグ巨人の高木勇人ですね。
昨日も両投手が勝利し、大谷が開幕5連勝、高木が開幕4連勝と勝利しました。
大谷翔平は、連勝中ですが、欲を言えば、立ち上がりが良くないという点が課題でした。ところが、昨日は立ち上がりに力まず投げるという修正を加え、見事な立ち上がりだったようです。5回に右足ふくらはぎがつったため、勝利投手の権利を手にし降板しましたが、プロ入り3年目とはとても思えない修正力というか、吸収力というか、伸びシロですね。本当に恐るべしです。
対する高木勇人は、「5度の指名漏れ」が有名ですが、その理由とそれを変えたきっかけをニュースでやっていました。曰く、スカウトが注目する選手でありながら、高木自身、プロ入りを意識するあまり速球にこだわり、制球を乱し、結果を出せず、5度の指名漏れとなったそうです。そして、高木は「プロ入りを捨て」、「チームのために勝つこと」を考えたそうです。勝つためには、スカウトにアピールする速球だけではなく、変化球も交えて打ち取ることが不可欠であり、このコンビネーションで結果を出し、それが結果的にプロ入りにつながったということです。何かとても示唆に富む話です。
よくプロ選手は、「チームのために」ではなく、「自分のために」プレーした結果が、チームのためになるのだと言われます。これもある意味で、真実の一端を表していると思います。しかし、ここで言っている「自分のために」プレーするというのは、「自分のアピール」のためにではなく、「自分の良さを出し切る」ために、ということなのではないかと思います。
その意味では、高木勇人は、指名漏れをして時には、「自分のアピール」のためにプレーをしていて、「速球と数々の変化球を持つという自分の良さを出すため」のプレーをしていなかったのだと思います。それが、図らずも、自分の我欲を捨てた時に、自分の良さが出てきたのだと思います。実力の世界と言われるスポーツの世界でも、かなり心理的要素が強いということですね。
今シーズンの、大谷翔平と高木勇人は、今後も注目ですね!