昨日、東京オリンピックのメインスタジアムになる新国立競技場の候補2案が発表されました。あれっ?もっと多かったんじゃないかと一瞬思いましたが、それはエンブレムのことでした。問題が続きすぎて、国民も混乱しますね。
新国立競技場は、工期や予算が限られていることから、設計家と建設会社が組んで応募することが条件となっており、結果的に2件というごく少数の応募となったようですね。公表はされていないそうですが、A案は、隈研吾氏と大成建設、B案は伊東豊雄氏と竹中、清水、大林のグループとのことです。
期間や費用の制約から、もともと新国立競技場の建設に携わる予定だった建設会社と、日本を代表する著名な建築家に落ち着いたということでしょうが、それが悪いことだとは思いません。
最初の選考過程に大きな問題があったことは、最初に選ばれたザハ氏の問題ではありませんが、個人的に、あの「かつてだったら近代的と評されるであろう」デザインは好きではなかったので、不透明な選考過程、コストの問題から、遅まきながら、白紙撤回で見直しになったことは、大賛成でした。
そして、出てきたのは、いろんな制約からたった2案かもしれませんが、この成熟した日本で行うオリンピックにふさわしいのではないかと思います。A案は、樹のぬくもりを感じさせるデザインであり、B案も樹を使った塔をイメージさせるものです。いずれも、現在の日本が世界に向けて発信すべきものだと思います。
以前の招致運動の際は、いまさら日本でオリンピックも必要ないだろうと思っていましたが、東日本大震災という未曽有の大災害を経て、日本という国が試される一つの社会実験となるのではないかと思いました(「2020年、東京オリンピック決定!」)。
それが、新国立競技場の不透明な選考過程と個人的にはまったく好きになれないデザイン、エンブレムの盗作問題と、日本の国が試されるどころか、底の浅さを丸出しにするようなことが明らかになり、どうなることかと思いましたが、遅きに失した部分もありましたが、辛うじて、軌道修正ができたのではないでしょうか。
今後もしっかり国民が監視して、日本国民にとって意味のある大会にしなければ、本当にやる意味がありません。将来を担う子どもたちに、夢や希望を感じる大会にしてほしいですね。