ひげ爺のお産・子育てご意見番

子どもは育つ力を持って生まれてきますが
親に子育てする力が減っています。
親育て支援の中で感じたことを書いています。

健診は自治体によって格差

2010年07月23日 | 医師の断乳指導
今日のブログは1歳半健診でのあり方に、疑問を持たれた小児科医からメールをいただきましたので紹介させていただきます。
自治体によって、母乳への理解には大きな隔たりがあります。
じっくり読んでください。
大きなヒントが書かれています。
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私は小児科医の立場から母子保健に携わっています。
どうしても、もやもやした気持ちが晴れず、このようなメールを差し上げてしまいました。


最近、私は自治体AからBへ引っ越ししました。Aでは1歳半健診を担当していました。また、Bに隣接する自治体Cでも1歳半健診を担当することとなりました。(子どもが小さいので、常勤では働いていません。)

Aでは、「おっぱいはお母さんが疲れない限り、いつまでもあげていい」と指導していました。
それとはまったく別個に、歯科の方では歯磨き指導をきっちりやっていました。「夜寝る前1回でいいので、きっちり仕上げ磨きをしましょう」と。
これが当然だと思っていました。

しかし、Cの健診へ行ってみると、会場には「歯のためを思うと、母乳は1歳半までに止めましょう。ばいばい」と書いたポスターが・・・。
そして、カルテを見ると歯科の部分には「歯磨き指導、断乳指導、間食指導」と。
いやいや、まさか母乳が虫歯を増やすだなんて、そんな昭和的なことがまかり通っているわけがない。きっと予算が少なくてカルテを作り変えていないだけだ、と思っていたのですが。
この欄は現役でした・・・・・。


そういえば、B市で出産したとき、助産師さんが「このあたりは母乳育児は肩身が狭いのよね~」とぼやいていたのですが、このことだったのでしょう。
B市や、その近隣で育児されている母親たちからは「虫歯になるから断乳しました」と???な話を聞きます。


一応、私も現代医学を学んだはしくれ、1歳半健診担当の保健師に「母乳が虫歯を増やすというエビデンスはない」と小さな声で抗議をしたところ、びっくりするよう答えが返ってきました。
1 母乳が虫歯を増やさないというのは、間食や仕上げ磨きを厳しく指導した研究の結果
2 それ以外の、間食や仕上げ磨きを指導しない研究では母乳群の方が虫歯が多い
3 泣いたら母乳をすぐにあげる母親は、断乳すれば泣いたらすぐアメ、チョコに走る
4 母乳をいつまでもあげている母親はむしろ子離れができていない。子どもも迷惑している

1と2から導き出される結論は、だから母乳が悪い、ではなく、間食や仕上げ磨きの指導に重点を移すべきなのではないか。
4について、母子関係は各々の母子間で決定される要因であるべきで、母子分離を乳幼児健診で指導する必要性はあるのか。
3については論外です。根拠のない思いこみでしょう。

・・・・と、言い返せたらよかったのですが、黙って帰ってきてしまいました。
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C市にお住まいのお母様方、是非強気にでちゃってください!!とメッセージを送りたいです。

断乳指導はかなりきつく言われるみたいで、今日はたくさんの母と子が断乳指導を受けていました。
その中の一人の子は、最近風邪をこじらせて重症化しやすい、とありました。その子には授乳を続けるようにはっきりと言わせてもらったのですが、そのお母さんの言った言葉は
「おっぱい、続けていいですよね!?さっき、歯科ではだいぶ言われたんです・・・。でも、この子おっぱいのおかげで今まで脱水になって点滴を受けることはなかったんです。おっぱいやめたら、脱水になってたかもしれませんよね!!」でした。
その通り、このお母さんの母親力は非常に高く、感心しました。
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皆さん、わが子のためにしっかりした知識を持ってください。
わが子を守るのはあなたです。






コメント (6)
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