ひげ爺のお産・子育てご意見番

子どもは育つ力を持って生まれてきますが
親に子育てする力が減っています。
親育て支援の中で感じたことを書いています。

子守帯(スリング)の危険性

2010年11月09日 | スリングの使用注意
昨日、渡辺眞史先生にスリングなどのおんぶ紐の危険性について、教えていただきましたのでご紹介します。
安全な使い方で事故を未然に防ぎましょう。
独立行政法人国民生活センターが注意勧告しています。
報道発表からご紹介します。
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スリングや抱っこひもなど赤ちゃん用子守帯に注意
‐窒息、転落、股関節脱臼の危険性も‐
国民生活センターの危害情報システム(注1)には、スリング、抱っこベルト、抱っこひも等(以下「子守帯(注2)」という)使用時の赤ちゃんの危害・危険情報が寄せられており、過去10 年間で64 件に達している。子守帯での事故にはいくつかのパターンがあるが、2010年3 月12 日にCPSC(米国消費者製品安全委員会)が、4 ヶ月未満の赤ちゃんにスリングを使う場合の窒息の危険性について警告情報を発信した。また同日、Health Canada(カナダ保健省)もスリング等を使用する際の転落や窒息事故に関し、注意喚起した。一方、スリングを使用した赤ちゃんの横抱きにより、股関節脱臼を起こす可能性があると指摘する医師の報告もある。
そこで、上述のレポートの紹介などと併せ、消費者に子守帯の使用にあたっての注意を喚起する。


(1)危害情報システムに寄せられた事故事例
国民生活センターの危害情報システムには1999 年4 月1 日から2010 年3 月15 日までに、「子守用被服品」での危害・危険情報として、消費生活センターから29 件、協力病院から35 件、合計64 件の情報が寄せられている。
年度別件数では、2008 年度13 件、2005 年度9 件が目立っている。ケガをした赤ちゃんの年齢をみると、0 歳が全体の半数以上を占めており、0 歳3 ヶ月から0 歳8 ヶ月に多くみられた。危害内容としては、「打撲傷・挫傷」が大半であった。主な事例は以下のとおりである。
[窒息の事例]
【事例1】4 ヶ月の子どもを子守帯でおんぶしたら顔と背中が密着して窒息しそうになった。(受付:2008 年10 月、受傷者:0 歳 性別不明 千葉県、消費生活センター)
[転落の事例]
【事例2】抱っこ用の布を使用して子どもを抱っこしていたら子どもが転落し口の中を

報道発表資料2
切った。(事故発生年月:2008 年10 月、受傷者:1 歳1 ヶ月 女児、協力病院)
【事例3】抱っこひも(ハンモック状)を斜めがけして買い物中、前かがみした際に高さ1m より滑り落ちコンクリートの上に頭から転落した。(事故発生年月:2007 年12 月、受傷者:1 歳0 ヶ月 男児、協力病院)
[脱臼の事例]
【事例4】何年も前に、長方形の布で赤ちゃんを包む抱っこひもを使用していて子どもが足の付け根を脱臼した。(受付:2009 年1 月、受傷者:属性不明 東京都、消費生活センター)

(2)アメリカ及びカナダでの報告
[CPSC の警告]
過去20 年間にスリングの使用による乳児死亡が14 件報告されている。このうち4 ヶ月未満の赤ちゃんが12 件で2009 年だけで3 件報告されている。スリングには窒息事故をもたらすおそれがあり、未熟児、双子、虚弱体質や低体重の乳児には特に注意が必要である。
強制的な規格が必要な幼児用耐久財のリストに、スリングを追加した。
[Health Canada の注意喚起]
カナダでは、1995 年以降ベビースリング使用時に9 件の事故が発生しており、このうち2 件は死亡事故のため、両親などに対して、ベビースリングなどを使用する際は次の点などについて注意するよう呼びかけている。
・保護者がつまずいて転んだときなどに赤ちゃんが転落する危険性
・不適切な姿勢のとき赤ちゃんが窒息する危険性


(3)医師からの助言
国保松戸市立病院 リハビリテーション科・整形外科 品田良之 医師
赤ちゃんは気管が細いため、首を過度に前屈させたりすると容易に気道が閉塞してしまう。また、短時間で窒息を起こしやすい。赤ちゃんの顔色や身体の状態が常に観察できる子守帯の使用が望ましい。また、赤ちゃんは急にそっくり返ることがあるので、転落などにも注意が必要である。
赤ちゃんを横抱きの状態で長時間抱っこすると、股関節脱臼を起こす可能性がある。股関節脱臼を防ぐには、首がすわる3・4 ヶ月時まで、できれば歩き出す前までは両足をそろえずに、股を開いた状態で抱っこする。
3
2.消費者へのアドバイス
・赤ちゃんの体の向きなどに配慮しながら使用する。特に、顔が保護者の体に密着する、顎が胸につくほど首が強く曲がるなど、気道をふさぐ状態にならないよう注意する。赤ちゃんの顔色が見えるようにする
・子守帯に赤ちゃんの落下を防止するための調節具がある場合は、正しく調節し、固定箇所を確実に締める
・赤ちゃんの股関節脱臼を防ぐために、歩き出す前までは両足をそろえずに、股を開いた状態で抱っこする。オムツを交換する時に、股の開き具合に注意を払う
・首が据わるまでは背当て、頭当てがあるものを選ぶ

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今月〔11月)の小児科学会雑誌に「子守帯(スリング)内での心肺停止」事故に対する傷害注意速報が出ました。これまでも転落による頭蓋内損傷など10年間で64件の報告があります。2008年には13件で、3ヶ月から8ヶ月の乳児に多く、打撲傷や挫傷がほとんどでしたが、今回日本で始めて死亡例が報告されました。2ヶ月の赤ちゃんで家族で外出し帰宅途中の電車の中でスリングを使用しています。帰宅しスリングからおろしたところ呼吸停止に気づいています。今回の事例はSIDSとの鑑別が必要ですが、スリング内の姿勢によっては窒息の危険が有ることに注意し常に赤ちゃんの状態を観察する必要があります。
米国では米国消費者製品安全委員会から4ヶ月未満の乳児にスリングを使う場合の窒息の危険性について警告情報を出しています。過去20年間で14件の死亡があり、12件は4ヶ月未満でした。同様の警告がカナダ保健省からも出ています。
渡辺眞史先生 (山形県立中央病院小児科)からいただいた情報を紹介させていただきました。

皆さん、使い方に注意して安全に使ってくださいね。

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