ひげ爺のお産・子育てご意見番

子どもは育つ力を持って生まれてきますが
親に子育てする力が減っています。
親育て支援の中で感じたことを書いています。

母乳はこころの栄養

2016年05月10日 | 子どもの成長

彫刻家 淀井敏夫の作品です。わが家の玄関に飾っています。
大好きな作品です。兵庫の出身の物故作家です。縁があって僕元に来てくれました。

「いつまでも授乳していると赤ちゃんが自立できないから、断乳しなさい」と言われましたがそうなのでしょうか」という相談もよく受けます。
母乳に関連する相談は非常に多いです。

昨日の相談から「体重が成長曲線を下回っているため、完母でいいか悩んでいます。
乳腺炎になり通い始めたおっぱいマッサージの助産師さんは「ミルクを足す必要は全くない」といい、小児科の先生は「ミルクを足すべきだ」といいます。
 
3ヶ月に入り首もすわり、3ヶ月と6日目で寝返りも成功し、よく笑うし、おしゃべりもしています。
授乳回数は8~11回ぐらいですが、3時間はあけるなという指導のもと泣く前に飲ませるようにしています。
ただ夜中等起こさなければ4~5時間ぐっすり眠っています。
入院中に何度か糖水をあげただけで、母乳以外は夏の暑い日麦茶20mlを2回ほど飲ませただけです。
(これも飲ませた方がいいのでしょうか?)活発に動いており、顔周りはふっくらしてきており、やせ細っている感じはうけないので、ずっと母乳だけできました。
でも確かに周りの子に比べるとすごく小柄で足すべきか迷っています。」

この赤ちゃんの場合は、母乳哺育でいい子育てが出来ていると思います。

お母さんを悩まし、苦しめるのは小児科医。
小児科医の不勉強で母乳哺育に対する認識がなく、人工乳の方が栄養が高く成長にいいという考え方が根強くある。
医師は、身体の発育だけを診るのではなく、心の発育もいなければならない。
母乳は単に栄養だけではなく心を育む栄養でもあります。
相談の赤ちゃんもお話を聞くと十分におっぱいを飲めているようです。
おしっこもたくさん出ています。
赤ちゃんにも体重や身長など、100人いれば100通り、やせている子もいれば肥っている子もいます。
母乳だけでもボンレスハムのようになったむちむちの足や手、反対にやせた赤ちゃんもいます。
成長曲線の下だから人工乳を足しなさいという安易な発想には怒りを覚えます。
小児科医もっと勉強せよ!!!と言いたい。また言い続けていきます。
それも私の仕事だと思っています。

母乳は、お母さんと赤ちゃんの心の栄養です。
授乳はお母さんにとっても心地よい時間でなければなりません。
何人もそれを邪魔したり妨害してはなりません。

よくあるケースは、おじいちゃんおばあちゃんの間違った母乳の知識や、母乳で育っていないお母さんお父さん、さらには断乳されたお父さんは心に傷を負っていますので、我が子への授乳にたいして憎悪を持っていることがあります。
その憎悪から母乳への理解が不足します。
「母乳より人工乳」の方がいいと母乳哺育に反対します。
その背景には、段階の世代が子育てされた頃にアメリカ流育児が推奨され、勉強熱心な女性や医師、マスコミがそれを取り入れられた。
「いつまでも飲ませていると自立心がつかない」「ベビーベッドで寝かすことは自立心を高める」などと言われ実践されてきました。
自立の強要が、最近のいじめ、自殺、虐待その他のこころの問題や少年犯罪や犯罪の原因の一つ となっているといわれています。

「自立」は自分で立つということで、強制されてできるものではありません。 
本当の自立心を育てるには、赤ちゃんが自らおっぱいから離れていくのを待つ ということが重要です。
鳥の巣立ちと一緒です。
それが自然卒乳です。

以前にも書きましたが、親の都合で止めさせるのはどのような場合でも断乳です。
不幸にも断乳してしまった親は、我が子をたくさん抱いてあげてください。

これからお産を迎える方は「心あるお産」ができる施設をさがしてください。
豪華な食事やアメニティで選んだり、ベルトコンベアにのった流れ作業の赤ちゃんを無視した施設で産まないようにしてくださいね。
母子別室では母乳で育てるのは難しくなります。
なぜならば最初の数日が一番大切な「頻回授乳」をしなければならないからです。
授乳は「3時間おき」これは人工乳の場合です。
母乳は「1時間半から2時間」で授乳です。
3時間おきの授乳をうたっていたり、母親教室で指導する産院では母乳哺育はできません。
母乳哺育ができる確率がさがります。

母乳哺育の第一歩は、あなたの分娩施設選びです。
さらにはお産について学んでください。
不勉強は取り返しがつきません。
正しい情報を得ることも肝要です。
妊娠情報誌等は絶対に買わないでください。
間違った情報や商業主義に毒されています。
広告による商売優先だからです。
不必要な育児用品やファッションの広告が氾濫しています。

そのような雑誌を発行している会社の中では、子育てや社員に優しくないです。
私の元にその会社の社員からの相談もあります。
その人たちが作る情報は信じられない。

雑誌が生んだ「セレブ出産」「ブランド出産」、ばかばかしい限りです。
赤ちゃんのことを無視した、お産を助長し、無知な親を大量に作るだけです。

もっともっと賢いヒトになって欲しいと願わずにはおられません。

コメント
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