「出産時監視怠り過失」病院側に賠償命令
今朝の朝日新聞の記事によると「過去に帝王切開した妊婦が自然分娩するのは危険性があるのに十分な監視を怠り子どもに重度の障害を負わせたとして大学病院を訴えた裁判で20日、病院側の過失を認め、約7300万円の支払いを命じた」としている。
裁判長は「注意深く関しすべき義務があり、緊急事態への準備をしておけば避けられた可能性が高かった」と指摘した。
自然分娩の際に、帝王切開の傷が避けて子宮破裂を起こした。帝王切開への移行が遅れた」としている。
この裁判で、ますますVBAC(経膣の試験分娩)が行われなくなることは必定である。
こうして、医療の幅が狭められていく、納得がいく「いいお産」は夢の夢に終わっていくのであろうか?
ある個人病院のデータです。
*************
「過去21年間の総分娩数11,800人のうち約300例の骨盤位を経膣分娩(骨盤位妊娠の8割)いたしました。
成功率は9割を超えます。
過去2年間(H18年・19年)は35件のうち34件成功しました。
成功率は97%です。
VBACについても細心最大の注意をはらい、経膣分娩可能と判断した場合は取り組んできました。
VBACは167例成功し、成功率は9割を超えます。
子宮破裂は1例もありませんでした。
過去3年間(H16年8月~19年12月)は、39例に試験分娩し、
36例(92%)がVBACに成功しました。
* *************
なんでもなくポンとでてくるようなお産もあって、そんなときは
産科医って楽しいけれど、難行するお産に3日もつきあって
やっとカンシや(死語です)吸引で出したりすることもあり、
それでもやっていけるのは、楽しいお産を経験できるから
だと、血しぶきを浴びて戻ってくる院長を傍で見ていて
私は思ってます。
「日本のお産」は本当に危機です。
* **************
本当にその通り、我が国のお産は危機だと思います。
この医師の場合は、「助産医」です。
赤ちゃんと産婦の様子を見ながら気の抜けない毎日を過ごしておられます。
我が命とスタッフの生活をかけて「母子の幸せ」のために努力されています。
精一杯の時間と努力をかけても、訴訟のリスクが呪縛のようにのしかかります。
「安全で自然なお産」も「ハイリスクなお産」と同様に扱わないと、訴訟のリスクなどを受けることになります。
訴訟のリスクを抱えてまで「いいお産」に固執する医師はいなくなる。
個人病院で満足のいくお産をするのは不可能になる時代はそう遠くはないように思います。
お産の主流は「大病院でベルトコンベア式」で安全という名の医療介入で進んでいくようになるでしょう。
それの方向に進ませているのは「医療消費者(患者)」であることを皆さん認識してください。
ますます、安全でリスクの少ないお産をするために「帝王切開」がお産の主流になってしまいます。
それで本当にいいのでしょうか。
逆子を治す「外回転術」や逆子の経膣分娩などは訴えられるリスクが大きく、
行う医師がいなくなるのではないかと危惧しています。
それに伴って、産科医療の若い担い手は育たない。
伝統的な素晴らしいお産は、いつ消えていくのでしょうか。
まもなくなくなります。
悲しく辛い思いをするのは「赤ちゃん」です。
このような背景の中で、お産の支援をしていることが情けなくなります。
とても寂しいです。
今朝の朝日新聞の記事によると「過去に帝王切開した妊婦が自然分娩するのは危険性があるのに十分な監視を怠り子どもに重度の障害を負わせたとして大学病院を訴えた裁判で20日、病院側の過失を認め、約7300万円の支払いを命じた」としている。
裁判長は「注意深く関しすべき義務があり、緊急事態への準備をしておけば避けられた可能性が高かった」と指摘した。
自然分娩の際に、帝王切開の傷が避けて子宮破裂を起こした。帝王切開への移行が遅れた」としている。
この裁判で、ますますVBAC(経膣の試験分娩)が行われなくなることは必定である。
こうして、医療の幅が狭められていく、納得がいく「いいお産」は夢の夢に終わっていくのであろうか?
ある個人病院のデータです。
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「過去21年間の総分娩数11,800人のうち約300例の骨盤位を経膣分娩(骨盤位妊娠の8割)いたしました。
成功率は9割を超えます。
過去2年間(H18年・19年)は35件のうち34件成功しました。
成功率は97%です。
VBACについても細心最大の注意をはらい、経膣分娩可能と判断した場合は取り組んできました。
VBACは167例成功し、成功率は9割を超えます。
子宮破裂は1例もありませんでした。
過去3年間(H16年8月~19年12月)は、39例に試験分娩し、
36例(92%)がVBACに成功しました。
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なんでもなくポンとでてくるようなお産もあって、そんなときは
産科医って楽しいけれど、難行するお産に3日もつきあって
やっとカンシや(死語です)吸引で出したりすることもあり、
それでもやっていけるのは、楽しいお産を経験できるから
だと、血しぶきを浴びて戻ってくる院長を傍で見ていて
私は思ってます。
「日本のお産」は本当に危機です。
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本当にその通り、我が国のお産は危機だと思います。
この医師の場合は、「助産医」です。
赤ちゃんと産婦の様子を見ながら気の抜けない毎日を過ごしておられます。
我が命とスタッフの生活をかけて「母子の幸せ」のために努力されています。
精一杯の時間と努力をかけても、訴訟のリスクが呪縛のようにのしかかります。
「安全で自然なお産」も「ハイリスクなお産」と同様に扱わないと、訴訟のリスクなどを受けることになります。
訴訟のリスクを抱えてまで「いいお産」に固執する医師はいなくなる。
個人病院で満足のいくお産をするのは不可能になる時代はそう遠くはないように思います。
お産の主流は「大病院でベルトコンベア式」で安全という名の医療介入で進んでいくようになるでしょう。
それの方向に進ませているのは「医療消費者(患者)」であることを皆さん認識してください。
ますます、安全でリスクの少ないお産をするために「帝王切開」がお産の主流になってしまいます。
それで本当にいいのでしょうか。
逆子を治す「外回転術」や逆子の経膣分娩などは訴えられるリスクが大きく、
行う医師がいなくなるのではないかと危惧しています。
それに伴って、産科医療の若い担い手は育たない。
伝統的な素晴らしいお産は、いつ消えていくのでしょうか。
まもなくなくなります。
悲しく辛い思いをするのは「赤ちゃん」です。
このような背景の中で、お産の支援をしていることが情けなくなります。
とても寂しいです。