座間市緑ヶ丘に市民の憩いの場、座間八景の一つに数えられている「かにが沢公園」はある。園内には冬は「梅」、春は「桜」(ソメイヨシノと神代曙)、秋には「曼珠沙華」(彼岸花)の四季の花で彩られ園を美しく彩る。一月も中旬を過ぎここ一週間寒くなったり暖かくなったりと三寒四温を繰り返している。花の少ないがこの時季、子ども広場の一画では百花に先駆けて春を到来を告げてくれる「梅」も咲き始め寒さも今しばらくの辛抱である。今、秋には真っ赤な天上の花と言われる彼岸花で埋め尽くされる斜面では「スイセン」が可憐な白い花に黄色の副冠が特徴の花姿を披露中である。「スイセン」はイベリア半島を中心にイギリス、ヨーロッパ中部、北アフリカを含む地中海沿岸地域に25~30種も自生しているヒガンバナ科 スイセン属の多年草である。代表的なのは「ラッパズイセン」、「八重咲きスイセン」、「房咲きスイセン」、「口紅スイセン」である。早いものは11月下旬から咲き、「ラッパズイセン」などは3月から4月に開花とその時期も異なる。花は花弁と萼片の6枚とその基部につくラッパ状の副冠からなって、副冠は形がさまざまで白色や黄色、オレンジ色、ピンクなど多彩である。中国では「仙人は天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」と言う諺から、二ホンズイセンの花の咲き方と仄かに漂わせる香り、その様が仙人のようで名付けられた。古くから日本で親しまれてきた房咲き花芯が黄色の「二ホンズイセン」は間もなく見ごろを迎える。(2201)
座間市入谷に谷戸の地域の歴史・文化を背景とした里山の貴重な緑や多彩な動植物を保全しながら自然観察が楽しめ、さらに里山の環境を体験できる公園として造られた「県立座間谷戸山公園」はある。31haという広大な園内にはパークセンター、里山体験館、「湿生生態園」、「水鳥の池」と野鳥観察小屋、湧きみずの谷、野鳥の原っぱ、昆虫の森、森の学校、クヌギ・コナラ、シラカシ、スギ・ヒノキ観察林、伝説の丘などが巧みに配置されている。これらの施設を縫うようにくねくねと散策路がありすべて回ったら半日はかかってしまう。その路脇には光沢のある大きな葉と赤い実が特徴の「ヒメアオキ」が数メートル間隔で途切れることなく続いている。ガリア科のアオキ属の常緑低木である。日本の北海道、本州の日本海側の多雪地帯に分布し、山地の林内、林縁のやや日陰になる場所に自生する。ブナ林などの林床にみられる。冬枯れの森の中では赤い実がひときわ良く目立つ。長さ1.5~2cmの楕円形で秋に赤く熟し翌年の4月頃まで残る。赤い実をつけるのは雌個体のようで、その雌個体の近くには必ず雄個体がある。葉の形は長楕円形で、葉の縁には粗い鋸歯がある。光沢のある「赤い実」とテカテカに反射する「葉」が印象的な木である。(2201)
相模原市南区麻溝に広がる「相模原麻溝公園」には春を告げる花「クリスマスローズ」の名所でもある。管理事務所前とセンター広場横とスロープ斜面、あじさい順路の奥、ふれあい動物広場の3か所に約6,000株が植えられている。白、紫、ピンク色の可愛らしい花をつける「クリスマスローズ」は花の少ない冬の季節を彩る数少ない庭花である。花丈は20~30㎝、花姿は小首をかしげ何か耳を澄ましているように、やがて来る春の足音を待つように冬の寒さに耐え咲く花である。訪れた日はまだ全体的に葉っぱだけであったが管理事務所前とセンター広場横とスロープ斜面に白色のクリスマスローズが10輪ほど咲き始めていた。また所々に紫色の蕾を膨らませている茎もあった。クリスマスローズは「シングルフラワー」、「ダブル」、「セミダブル」の3タイプの咲き方がある。先週末は今年の初雪、花の心の奥底の苦悩を訴えるかのように俯いて花弁を密やかに開く様子は咲いていいものかどうか思案中のようでもある。(2201)