相模原市中央区上溝、上溝商店街のほぼ中心地に「大鷲神社」と「成田山不動明王」が隣り合わせに鎮座している。伝えでは元和年間(1615~1624年)の建立。江戸時代この一帯は「六斎市」が開かれていた。かつてこの地には曹洞宗寺院「秀珍山宝光寺」の末寺「溝中山常宿寺」(現在は廃寺)があった。寛永2年(1625)創建。かつて「桜山」と呼ばれた境内に防火の神の「秋葉神社」(元和年間=1615-1624に建立)が祀られていた。明治3年当地に市場が開設されその商売繁盛を祈願し地元の上溝本町の商店主らが勧請し商業の発展を祈念し現在の大鷲神社となった。祭神は大鳥祖神、日本武尊。現在「亀ヶ池八旛宮」が兼務しているが神社の管理は「上溝本町自治会」が行なっている。と伝わる。毎年11月の酉の日には「酉の市」が開かれ大勢の参詣者で賑わう。右隣には「成田山新勝寺」の分社として「上溝成田山不動明王」(不動成田山)がある。明治8年(1875)に現在地に鎮座した。この寺も地元自治会法人本町自治会によって保存されており、現在は上溝商店街振興組合とともに管理が行われている。現存する掛け軸に成田山第十三世貫首原口照輪上人の名と開眼が残されている。その後、昭和51年(1976)に100年祭が行われその節目となる開眼もなされている。不動尊内部には「不動明王」と「七福神」が祀られる。現在も地元の無病息災、災難厄除、商売繁盛を祈念する成田山の窓口とされ、全国の成田山同様、毎月28日が御開帳日となる。(2201)
相模原市南区上溝の「七曲下」の信号から蛯川を越えた静寂な住宅街の一角に高尾山薬王院の末寺の真言宗寺院「国分山安楽寺」は鎮座している。開山は永亨5年(1433)に寂した源尊法師であるが、伝承によれば応安年間(1368~75)に義清法師により「蓮乗院安楽坊」として開山とある。本尊は阿弥陀如来。本寺には市内最古といわれる鎌倉時代末の正応5年(1292)銘の「板碑」が保存されている。主尊は折れて欠落しているが、三尊種子の下に中央に花瓶、左右に「正應5年8月6日」と刻まれている。本碑はもとは上溝本郷にあり、昭和初期に「安楽寺」に移した。薬医門形式の「山門」の右手前で四体の地蔵が置かれている。「山門」より入山、正面に本瓦葺き、入母屋造り「本堂」があり、その左手には境内を見守るように「空海像」が建てられている。山門前にある三猿と富士山が描かれている「庚申塔」は相模原ではこの一基といわれている貴重なものである。(2201)