相模原磯部頭首口の近くに鎌倉時代に曹洞宗を開いた道元の流れをくむ下溝の「天応院」の末寺で磯部の古刹とされる曹洞宗寺院「磯平山能徳禅寺」は鎮座している。創建は室町時代末期(1500年)頃。本尊は如意輪観音である。禅寺の「山門」の脇には「不許葷酒入門」という戒壇石に刻む句と六地蔵がある。「山門」より入山すると手前に「鐘楼」、正面に「大本堂」、その左に「庫裏」がある。庫裏の前のやや小高い丘には白い「観音像」が建てられ寺域を見守っている。当寺は初夏には藤の花、秋には鐘楼前の「イチョウ」、観音像の周辺の「カエデ」の紅葉で彩られ、そして間もなく境内の一角に植栽の「紅白の梅」が咲き出す頃である。(2201)
相模原市南区麻溝に四季の花が絶えない広大な「相模原麻溝公園」はある。当園は「クレマチス」や「アジサイ」、そして春を告げる花「クリスマスローズ」の名所でもある。「管理事務所前」と「センター広場横」と「スロープ斜面」、「あじさい順路の奥」、「ふれあい動物広場」の3か所に約6,000株が植裁されている。白、紫、ピンク色の可愛らしい花をつける「クリスマスローズ」は花の少ない冬の季節を彩る数少ない庭花である。花丈は20~30㎝、花姿は小首をかしげ何か耳を澄ましているように、やがて来る春の足音を待つように冬の寒さに耐え咲く花である。訪れた日はまだ全体的に葉っぱだけであったが管理事務所前とセンター広場横とスロープ斜面に白色のクリスマスローズが十数輪ほど咲き始めていた。また所々に紫色の蕾を大きく膨らませて今にも開花しそうである。クリスマスローズの咲き方には「シングルフラワー」、「ダブル」、「セミダブル」の3タイプがある。クリスマスローズは「追憶」とか「私を忘れないで」、「私の不安を取り除いてください」、「慰め」、「スキャンダル」の花言葉を持っている。花の心の奥底の苦悩を訴えるかのように俯いて花弁を密やかに開く様子を現している。(2201)