テレビ番組「医学の窓」に呼ばれて「死体の声を聞こうとしない警官や医者が多過ぎる」と発言した光崎に対し、テレビ局のサイトに「親愛なる光崎教授殿。インタビューではずいぶん尊大なことを言っておられたが、ではあなたの死体の声を聞く耳とやらを試させてもらおう。これからわたしは一人だけ人を殺す。絶対に自然死にしか見えないかたちで。だが死体は殺されたと訴えるだろう。その声を聞けるものなら聞いてみるがいい」という書き込みがなされ、埼玉県警は疑わしくもない死体を次々と法医学教室に持ち込んで、法医学教室は多忙を極め、予算は逼迫しという展開の「ヒポクラテスの誓い」シリーズ第4作。
「ヒポクラテスの試練」(シリーズ第3作)で初めて長編にしたかと思うと、今作品は再び「ヒポクラテスの憂鬱」(第2作)と同様の最初に課題を示した短辺連作の線、それも第2作とほぼ同様のコンセプトに戻しています。全体を通したコンセプトの違いは、この作品では、それを光崎の過去と結びつけ、光崎もそれを意識しているというところです。
解剖をめぐる攻防はだいぶパターン化してきた感じですが、解剖による謎解き(死因解明)はまだネタ切れにならないようです。どこまで続けられるか、お手並み拝見というところでしょうか。

中山七里 祥伝社 2021年5月20日発行
「小説NON」連載
「ヒポクラテスの試練」(シリーズ第3作)で初めて長編にしたかと思うと、今作品は再び「ヒポクラテスの憂鬱」(第2作)と同様の最初に課題を示した短辺連作の線、それも第2作とほぼ同様のコンセプトに戻しています。全体を通したコンセプトの違いは、この作品では、それを光崎の過去と結びつけ、光崎もそれを意識しているというところです。
解剖をめぐる攻防はだいぶパターン化してきた感じですが、解剖による謎解き(死因解明)はまだネタ切れにならないようです。どこまで続けられるか、お手並み拝見というところでしょうか。

中山七里 祥伝社 2021年5月20日発行
「小説NON」連載