伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

百歳 いつまでも書いていたい 小説家・瀬戸内寂聴の生きかた

2022-06-13 21:51:24 | エッセイ
 2021年11月9日に99歳で死去した瀬戸内寂聴のラジオ番組での語り・対談を出版した本。本来は2022年5月15日の100歳の誕生日に合わせて刊行する予定だったと「はじめに」に書かれているのがせつない。
 1998年に「源氏物語」の現代語訳を出版した話が最初になされ、すでに与謝野晶子、谷崎潤一郎、円地文子の現代語訳があるのにさらに現代語訳をしたのは、「戦後五十年が経ちまして、国語力が低下したのでしょうか、みなさん、それらの訳が読み切れないと言っております」(12ページ)ということからなんだそうです。その優しくした瀬戸内源氏10巻本も手に余り、私は、その前に書かれた「女人源氏物語」しか読めていませんが…
 井上光晴と妻と瀬戸内寂聴の三角関係を書いた「あちらにいる鬼」(井上荒野)は、「なんでも話してあげるから」と言って、だいぶ話してあげたのを書いたのだそうです(163~164ページ)。「モデルにされたわたしがほめるんだから、この小説はいい小説ですよ」って。「あれは絶対に賞を取りますよ」(164ページ)というのは外れたようですが。でも、まぁそう言われると読んでみようかと思います。映画化もされるようですしね。


瀬戸内寂聴 NHK出版新書 2022年3月10日発行 
コメント
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