伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

カラー版 春画四十八手

2022-06-12 21:27:50 | 趣味の本・暇つぶし本
 菱川師宣の「表四十八手 恋のむつごと四十八手」を紹介し、それに合わせてその後の春画を紹介した本。
 元来相撲の決まり手であった四十八手が性的な意味を持つようになったのは1679年に刊行された菱川師宣の「表四十八手 恋のむつごと四十八手」と翌年の続刊「裏四十八手」からなんだそうです(3~5ページ)。オリジナルでは、性行為の体位だけじゃなくて、シチュエーションを挙げたものが多く、第1図は「逢夜盃」で遊廓で初顔合わせした遊女との恋の始まり、第2図は「思比」で両思いの相手と初めて致す前のときめき(手を握ってる)、第3図は「明別」で一夜をともにした後夜明けに別れを惜しんで接吻する姿、第4図が「ぬれなづけ」で思い人と致した後の恥じらう姿(…「ぬれ」の意味は…)と続き、第5図の「四手」(本手取り:いわゆる正常位、男性上位)で初めて体位が登場するとのことです(10~24ページ)。
 併せて紹介されている後の春画に比べて「恋のむつごと四十八手」は絵があっさりしていてほのぼの感が強い。より細密でリアルな後の春画も併せ、江戸時代の庶民の文化・風俗のおおらかさを感じます。


車浮代 光文社知恵の森文庫 2018年9月20日発行
「日刊ゲンダイ」連載
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