何十冊と本を出し大成してルーフバルコニーのあるマンションに住む作家が、何十年か前に、全日本体重別選手権で1度だけ優勝したその世界ではある種奇人変人として知られた孤高の柔道家ハラショウこと羽良勝利の取材を続けて書いたが出版しなかった「格闘」と題する失敗作のノンフィクションを読み返し、取材当時を振り返るという体裁の小説。
「夢道場」と名付けた小さな道場で柔道を教えている羽良勝利と「はらしょう」という飲み屋の女将康子と名前を名乗らぬ作家である語り手の絡みで持たせていく持って回った感のある恋愛小説です。
この作者、ジーンズを穿くときショーツを着けないこともあるけど(150ページ)とさらりといいますけど、そういうものなんでしょうか。そして、ダンゴムシについて「身を守るすべが丸くなるだけという、卑しく浅ましい最低の生きものは、思い切って潰すことにしている」(30ページ)って、やっぱりちょっと歪んだというか変わった方のように思われるのですが。
髙樹のぶ子 新潮文庫 2022年4月1日発行(単行本は2019年7月)
「夢道場」と名付けた小さな道場で柔道を教えている羽良勝利と「はらしょう」という飲み屋の女将康子と名前を名乗らぬ作家である語り手の絡みで持たせていく持って回った感のある恋愛小説です。
この作者、ジーンズを穿くときショーツを着けないこともあるけど(150ページ)とさらりといいますけど、そういうものなんでしょうか。そして、ダンゴムシについて「身を守るすべが丸くなるだけという、卑しく浅ましい最低の生きものは、思い切って潰すことにしている」(30ページ)って、やっぱりちょっと歪んだというか変わった方のように思われるのですが。
髙樹のぶ子 新潮文庫 2022年4月1日発行(単行本は2019年7月)