同棲していた婚約者坂庭真実が突然行方不明になりスマホは電源が切られて通じない状態となり、同棲のきっかけとなったのが真実が自宅にストーカーらしき男が入り込んでいるという訴えであったことから、ストーカー男に連れ去られたことを危惧した西澤架が真実の母陽子とともに警察に届出したが警察が動いてくれず、架が、真実から名前等を聞かされていなかったストーカー男を捜して真実の過去を調べ続け…というミステリー仕立ての恋愛小説。
恋愛・結婚をめぐる女の打算・駆け引き・狡猾さ、男の思い込み・単純さ・うかつさ(「もう、男ってそういうところ、本当に甘すぎ」という台詞に象徴されるような)、女性同士の辛辣さ・意地悪さが、大きなテーマとなっていて、日頃、いや男だから女だからじゃなくてその人の個性でしょというスタンスを取っている身には悩ましいのですが、しかし同時に、そういうこともあるよねと思ってしまいます。そのあたりの展開は、湊かなえのような「嫌ミス」になるかとも思えましたが、そうでなくまとめるのが作者の作風なのだと思います。
辻村深月 朝日新聞出版 2019年3月30日発行
「週刊朝日」連載
恋愛・結婚をめぐる女の打算・駆け引き・狡猾さ、男の思い込み・単純さ・うかつさ(「もう、男ってそういうところ、本当に甘すぎ」という台詞に象徴されるような)、女性同士の辛辣さ・意地悪さが、大きなテーマとなっていて、日頃、いや男だから女だからじゃなくてその人の個性でしょというスタンスを取っている身には悩ましいのですが、しかし同時に、そういうこともあるよねと思ってしまいます。そのあたりの展開は、湊かなえのような「嫌ミス」になるかとも思えましたが、そうでなくまとめるのが作者の作風なのだと思います。
辻村深月 朝日新聞出版 2019年3月30日発行
「週刊朝日」連載