東京ディズニーランドに3000回以上、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに300回以上は通っているという「テーマパーク研究家」を名乗る著者が、両者のビジネスモデルを比較検討した本。
「強化書」としているのは、サービス業のコンサルタントである著者が、単純にまねるのではなく、両テーマパークのビジネスのあり方からヒントを得てサービスを高める(強化する)ために応用しましょうという趣旨かと思います。特に明示されてはいませんが。
17項目中11番の「待ち時間で『期待』を最高潮にする東京ディズニーランドvs待ち時間でマネタイズするユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(136~142ページ)は、一面で正しく、客にとっては不満・疑問に思えることをビジネスとして賞賛(ヨイショ)する典型となっています。東京ディズニーランドが、行列させる場所にそのアトラクションのストーリーを感じさせる展示物を配置していることはそのとおりですが、長蛇の列があるときにそれを見ることで期待を最高潮にするというのは、運営サイドはそれを願っているとしても並んでいる客にとってはかなり非現実的です。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、行列・待ち時間が苦痛であることを前提に(それ自体は基本放置しつつ:むしろ客が少ないときは間引き運行して行列をあえて作らせて)並ばずに入れるパスを高額で(入場料並みないしそれより高かったりする)売りつける、金を払えば横入りし放題、追い越されて悔しかったら金を払えというやり方に徹しています。私は、そういうやり方自体がサービスのあり方として疑問に思っていて、これを賞賛する気持ちにはとてもなりませんが、これはそういう目線の本なのだと割り切って読むべきでしょう。
あえて比較対照するために強引に書いているきらいもありますが、まぁそういう感じはあるよねとは思える本です。

加賀屋克美 ビジネス社 2022年5月1日発行
「強化書」としているのは、サービス業のコンサルタントである著者が、単純にまねるのではなく、両テーマパークのビジネスのあり方からヒントを得てサービスを高める(強化する)ために応用しましょうという趣旨かと思います。特に明示されてはいませんが。
17項目中11番の「待ち時間で『期待』を最高潮にする東京ディズニーランドvs待ち時間でマネタイズするユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(136~142ページ)は、一面で正しく、客にとっては不満・疑問に思えることをビジネスとして賞賛(ヨイショ)する典型となっています。東京ディズニーランドが、行列させる場所にそのアトラクションのストーリーを感じさせる展示物を配置していることはそのとおりですが、長蛇の列があるときにそれを見ることで期待を最高潮にするというのは、運営サイドはそれを願っているとしても並んでいる客にとってはかなり非現実的です。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、行列・待ち時間が苦痛であることを前提に(それ自体は基本放置しつつ:むしろ客が少ないときは間引き運行して行列をあえて作らせて)並ばずに入れるパスを高額で(入場料並みないしそれより高かったりする)売りつける、金を払えば横入りし放題、追い越されて悔しかったら金を払えというやり方に徹しています。私は、そういうやり方自体がサービスのあり方として疑問に思っていて、これを賞賛する気持ちにはとてもなりませんが、これはそういう目線の本なのだと割り切って読むべきでしょう。
あえて比較対照するために強引に書いているきらいもありますが、まぁそういう感じはあるよねとは思える本です。

加賀屋克美 ビジネス社 2022年5月1日発行