イエスは霊界の状況を教えたが、その背景にはまた壮大な霊界理論がある。
だが、イエスはそれをいちいち話してから霊界状況を教えるというような(面倒な)ことはしていない。
そこで筆者がまず、その背景の理論を体系的に整理しながら示していこう。
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「世界には万物を創造した創造主(神)がいる」というのは、旧約聖書で(自存者として)示された。これは前述した。
イエスは、その創造主は、お一人ではなく「実はもうお二方いて、合計三者だ」と教えた。
お二方とは、創造主の「ひとり子」である御子(みこ)イエスと「聖霊」だという。
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創造主は被造界を創り、そこに「いのち」というエネルギー波動を放射している。
御子は父なる創造主を深く愛し、父のみむね(御心)を実現すべく、従順に働く。
聖霊はそうした御子の働きを助ける。
これら三者が一体となったのが、創造霊(神)の実体だとイエスは考えている。
<三位一体>
ちなみに、この三者「父、子、聖霊」 はまとめて 「三位一体(さんみいったい)」と言われることもある。
三者はあたかも一体であるかのごとくに働くので「三つにして一つ」とも考えられるからである。
<神学>
ただしこれは聖書のなかの言葉ではなく、神学用語だ。
神学とは、「聖書の中にある言葉(聖句)を解釈し、論理構造を見つけ出していく学問」だ。
英語ではセオロジー(theology)。
これは理論(セオリー:theory)という語の元になっている。
神学活動で見つけ出される論理体系を「教理」という。
解釈はいろいろにできるから、教理もいろいろつくりうる。
こうした論理体系を専門的に研究する神学部という学部をもつ大学は、我が国にもいくつかある。
(続きます)