初代教会に集まったメンバーは、聖句を手がかりにして「世界の全てを知る」ことを切望していた。
彼らは、使徒ペテロの、予想もしなかった聖句解釈に感銘を受けた。
それが現に目の前で起きている「異言」現象を見事に説明していることに驚嘆した。
(『使徒行伝』2章14-40節)
彼らは、自分もペテロのように聖書を解読して「霊界も含めた実在世界」を、知りたいと参集した人々だった。
<自由吟味は「知的・学問的」だった>
自由吟味方式での探求対象は宗教経典(聖書)だ。
だが、メンバー個々人は、その解読によって、世界に関する「知」を深化させることを目指していた。
彼らは霊界を含めた「実在」を知ることに重点を置いていた。
この姿勢は、宗教者というより、学者的・研究者的だ。
初代教会はすぐれて、「知」を求める個々人の集合体でもあった。
<スモールグループは「学会」>
彼らはまず個々人で、聖句を自由吟味した。
解読結果を、自らが所属する数人のスモールグループに持ち込んで再吟味した。
そこでの議論も、研究者的になる。
結果的にモールグループも「学会」の性格が濃厚な会となった。
学会では学者はいろんな人の研究報告を聞き、議論をする。
そしてそれらの情報を自分の知識に生かして会を去る。
聖句自由吟味活動は、そうした会合を毎週繰り返す、知的・学問的研究の性格を濃厚に持った活動となった。
(続きます)