Sightsong

自縄自縛日記

アーシュラ・K・ル・グィン『世界の合言葉は森』

2021-10-10 20:10:02 | 思想・文学

Ursula K. Le Guin - The Word For World Is Forest / アーシュラ・K・ル・グィン『世界の合言葉は森』  

サックス奏者のマタナ・ロバーツがこのSF小説に触発されたとインタビューで語っていて、そこに彼女が見出した大事な点は、環境倫理、レイシズムや植民地主義のアナロジイといったものだった。実際、マタナは自作で黒人の子どもがKKKから逃れる場所として森を想定していた。

思い出して読んでみたら、たしかに素晴らしいイメージ喚起力がある。森の人、人為による破壊と収奪、現実の対義語ではない夢。 「森の音楽」ではなく「森が象徴するような音楽」を聴いてみたい。

The Quietusでのインタビュー
https://thequietus.com/articles/27153-matana-roberts-interview-2

JazzTokyoでのインタビュー(マタナが来日したときに約束してくれて、後日インタビューできた)
https://jazztokyo.org/interviews/post-42119/

●アーシュラ・K・ル・グィン
アーシュラ・K・ル・グィン『マラフレナ』


ジョニー・トー(23) 『ホワイト・バレット』

2021-10-10 12:28:35 | 香港
ジョニー・トー - ホワイト・バレット / 杜琪峯 - 三人行 / Johnnie To - Three(2016年)
 
香港のジョニー・トーは90年代からゼロ年代にプログラム・ピクチャーかというくらい1年に何本もの映画を撮っていた人で、なにしろ好きなので国際線の飛行機に乗るたびにチェックして新作を観ていた。いちばんのお気に入りはいまも『エグザイル/絆』。
ふと最近どうなんだろうと調べてみたら、2015年のコメディ『香港、華麗なるオフィス・ライフ』のあとに『ホワイト・バレット』と『我的拳王男友』を撮っていた。矢も楯もたまらず『ホワイト・バレット』のDVD(英語字幕版)を買って観たけれどやっぱりジョニー・トー健在。これでもかと奇妙な工夫や奇妙や奇怪な人物が詰め込んであって、腕をびしりと伸ばして鉄面皮で銃を撃ちまくる悪人たちは顔芸ならぬ全身芸。主演のルイス・クーも良いけれど、尻にナイフを刺されたままどんくさく必死に戦うラム・シューも変わっていない。
そんなわけで、ついでに『エレクション』三部作も買ったので(3本目は他の監督)、再見が楽しみなのだ。
 
 
●ジョニー・トー
『城市特警』(1998年)
『ザ・ミッション 非情の掟』(1999年)
『暗戦/デッドエンド』(1999年)
『フルタイム・キラー』(2001年)
『デッドエンド/暗戦リターンズ』(2001年)
『PTU』(2003年)
『ターンレフト・ターンライト』(2003年)
『スー・チー in ミスター・パーフェクト』(2003年)※制作
『ブレイキング・ニュース』(2004年)
『柔道龍虎房』(2004年)
『エレクション』(2005年)
『エレクション 死の報復』(2006年)
『エグザイル/絆』(2006年)
『僕は君のために蝶になる』(2007年)
『MAD探偵』(2007年)※共同監督
『スリ』(2008年)
『アクシデント』(2009年)※制作
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009年)
『奪命金』(2011年)
『高海抜の恋』(2012年)
『ドラッグ・ウォー 毒戦』(2013年)
『名探偵ゴッド・アイ』(2013年)
『単身男女2』(2014年)
『香港、華麗なるオフィス・ライフ』(2015年)