Sightsong

自縄自縛日記

中尾勘二@なってるハウス

2021-10-19 22:51:05 | アヴァンギャルド・ジャズ

なってるハウス(2021/10/19)。

Kanji Nakao 中尾勘二 (ds, tp, tb, as, cl, b)

天才・中尾勘二の多重録音ソロ。

ファーストセットではドラムス、ベース、ピアノ、トランペット、トロンボーン、アルトと重ねていった。演奏しない時間もあり、その間は観客には中尾さんのヘッドホンからかすかに漏れるその前の音だけが届く。完成して披露したサウンドはなかなかカッコ良く、<草刈>と名付けられた。なんでも近所でいい感じに伸びた草が刈られてしまい、その大量虐殺が残念極まりないという気分だということで。

セカンドセットではさらに独り言が増えていちいち可笑しく、皆が痙攣する。コンポステラやストラーダでもこういうのがあったよなあと思い出させるマーチふうであり、ドラムスのあとは金管と木管。完成して再生してみると脱力爆笑ものであり、はじめに小声でなにやら囁きつつ叩いていたのはコレだったのか、と。後ろ向き爆発感ゆえ<中止>と名付けられた。

それにしても演奏者以外には最後までパーツしか聴くことができず、呆然として目撃していたものがこのようにまとまるなんて快感以外のなにものでもないのだった。

6年前に新宿ゴールデン街の裏窓で観た多重録音は、狭いだけに手仕事系。今回は楽器を遠慮なく使えるがやはり手仕事系。

Fuji X-E2、Rollei Sonnar 85mmF2.8 (M42)

●中尾勘二
8.7ヴィオロン(2020年)
ストラーダ@吉祥寺MANDA-LA2(2019年)
グンジョーガクレヨン、INCAPACITANTS、.es@スーパーデラックス(2016年)
中尾勘二@裏窓(2015年)
向島ゆり子+関島岳郎+中尾勘二『星空音楽會 Musica En Compostela』(2010年)
ふいご(2008年)
星の栖家『plays COMPOSTELA』(2005年)
川下直広『漂浪者の肖像』(2005年)
船戸博史『Low Fish』(2004年)
嘉手苅林次『My Sweet Home Koza』(1997年)
大島保克+オルケスタ・ボレ『今どぅ別り』 移民、棄民、基地(1997年)
渡辺勝『とどかずの町で』(1995、97年)