
今週珍しく演劇観戦が続く。しかも同じ劇場HEPHALLなのだ。「空晴」に続く今回の出し物は「スクエア」の下町の流しミュージカルもの(?)。
だいたい財布に1000円ぐらいしか入っていないしがないサラリーマンの4人。いろいろ言いたいことはあれど、されど社会に何か攻(口)撃しているわけでもない、底辺にさりげなく生息する庶民派リーマンたちである。無力な我々の姿でもある。
その彼らが唄うコント風ソングがメチャ楽しい。東京に出て結局は大阪に戻るその行程はちょっとベタすぎるが、それでも1時間半、彼らの人間性が一人一人にじみ出て侘びしく楽しい。
「空晴」を見た後だったので観客の入りとかどうしても気になったけれど、もともとそれほど華のない劇団だから、侘びさびも必要なのだろう。でも好きな劇団だ。
だいたい、セリフで充満する通常の演劇と、歌に託す歌詞でつづる演劇というのとではどちらが難しいのだろうか。セリフを覚えることは当たり前でも、歌詞を覚えギターで演奏しつつ何かを表現するというのも実はこちらの方が役者としては大変なのではないだろうか、と思う。そんなことを彼らのいとおしい表情を見ながら考えてしまった。
この演劇を見に来ている人たちは1000円しか財布に残っていないと言う人はまれだろうが、大阪の哀愁を前面に出してくれる彼らも関西にはなくてはならない劇団だ。
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