ままごと×あいちトリエンナーレ「あゆみ」(作・演出／柴幸男 於精華小劇場) 80点

今や廃校となった小学校の講堂を劇場に仕立ててのちょっと驚く斬新な演劇。75分とはいえ、とても密度が高く観客も俳優陣も息を抜くところがない。

だから短いと思っていた75分はこれ以上のない演劇時間だった。8人の女性が一人の女性とそれにつながっている人全部を、一つの輪の中の中で演技する。輪を抜ければ違う俳優が瞬時にその役を演じるといった桁違いに面白い演劇だ。

だから、常に俳優は動きセリフを吐く。だから観客も真剣に身じろぎもせず演技を見続ける。その作業は結構きつい。何度か目を瞑ったが、瞬時に分からなくなるのですぐ瞼を開ける。スピーデーにある女性の人生を駆け巡るのであるが、これがうら若き女性が演じるから生のほとばしりも感じ、同時に不思議と人生のアイロニーも感じることになる。
ある意味猛烈な75分であった。

結構疲れたが、演劇を見た充実感が残る。今年の収穫作である。演じた8人の女性と若き演出家に拍手！！