読むのに時間がかかるドストエフスキー。随分前に読んだ記憶があるがほとんど忘れています。劇を見ていて、はてこんなに映画的だったかなあというのがまず感想。
やはりラスコーリニコフの内面にぐっと入っていかないと「罪と罰」とは言えないんじゃあないのではなかろうか。金貸し老婆と一緒に義理の妹まで巻き添えで殺戮してしまうのだが、どうもラスコーリニコフがそこらの青年に見えてしまう。
昔読んだ印象はラスコーリニコフが人類全体を代表するような大きな悩みに苦闘するというものであった。まあ、あの長編を2時間でまとめてしまうのだから、仕方がないと言ったらそうなんだが、それでもねえ、、。
舞台設定といい、役者の演技といい、それほど不満はないのだが、なんかダイジェスト版のようなイメージが強く残った。あの判事とのやり取りも期待していたほどの迫力はなかった。
まあ、若い人もみんな見る「罪と罰」、こういうのも悪くはないけどねえ、、。舞台としては、けれど十分水準の出来であります。
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