たまたまチラシを見ていたら甲本雅裕らしき人の姿が。小劇場だからまさかとは思ったが、顔も彼らしい。でも、入場料2000円。小劇場でも超格安。
即予約を入れ、振り込み手続きをすると、郵送でチケットが送られてきた。その席は真ん前の一番いい席。何かの間違いではなかろうかと、今日実際に劇場に行ってみると、甲本が目の前にいたのだ。
しかも、彼はゲスト出演などではなく、本格主演なのだ。どうなってるのか。
劇はシリアスで、社会の底辺を支える人たちがワンサ出てきて、実にきめ細かい演劇で素晴らしかった。
突然の弟の死に対峙する兄の話である。弟が世間では孤独死といわれる死を迎えた。兄は死後の清掃サービス業を営んでいる。くしくも実の弟の清掃処理をしなければならないのだ。
その作業の一日。兄には弟との思い出が走馬灯のように浮かんでは消える、、。
涙あり、笑いあり、市井の人間たちの不器用な生き方を見つめた秀作だ。映画ではよくあるテーマだが、演劇では意外と珍しい。達者な役者たちと、繊細で強い脚本に支えられながら、この演劇は見事羽ばたいている。
孤独死とは誰にも看取られず一人で死んでゆくことではなく、死後に誰からも思われないで死んでゆくことを言うのだ、と兄は言う。だから弟は孤独死ではないと。
愛する女性とは喧嘩中だったけど、30半ばにして初めて真剣に小さな人生を生きようと、介護施設に就職をし、その初出勤の日に弟は病死したのであった。
父親代わりでもあった兄の慟哭は続く、、。
いい舞台だった。感動のうねりが観客席を襲っていた。
ヒロトさんの弟甲本雅裕さん出演されてましたね(笑)入場料2000円は破格でした。一心寺シアター倶楽が大好きな劇場ということもあり予約。ただし当日精算(笑)後方座席でした(苦笑)
良かったですよね。私は弟役の方が上手いなぁ、と思ってたら座長でした(笑)やはり只者ではない。
今後の社会の高齢化に比例して孤独死が増えるでしょうから他人事では無いですよね。例え結婚して子供がいても可能性は0じゃない。
そんなことを考えながら素晴らしい脚本と演技を楽しみました。
奇しくも私もセントさんと同じく
孤独死とは誰にも看取られず一人で死んでゆくことではなく、死後に誰からも思われないで死んでゆくことを言うのだ、と兄は言う。だから弟は孤独死ではないと。
いう台詞が結構印象に残りました。
ただ私はセントさんが書かれているように
愛する女性とは喧嘩中だったけど、30半ばにして初めて真剣に小さな人生を生きようと、介護施設に就職をし、その初出勤の日に弟は病死したのであった。
と言い切るのはどうなのかなぁ、と。弟の死因にしろ弟の就職にせよはっきりとは書いていないのでどちらとももしくはどのようにも取れる、なぁ、と。
それが余韻を残すなぁ、と思いました。