ゴサンケ『Doroshy-ドロシー- 』（脚本・演出：中山真治）（於・一心寺シアター倶楽） 85点

この一心寺シアターのHEP並みの大きな舞台であることよ、と感心する。何回も来ているのだが、この大きな舞台を生かした演劇に今まで巡り合わなかったということなのだ。

そう、この大きな舞台でゴサンケは飛び跳ね、走り、大人が忘れていた子供心を否が応でも蘇らせてくれる。何といおうか、そう映画「ハリポタ」を初めて見たときのあのみずみずしい感覚を思い起こす。

総勢30名の俳優の圧倒的な人数。彼ら（アンサンブルを除いて）にはすべて役がきちんと与えられ、それぞれが深く躍動する。彼らのそれぞれのパターンだけでも劇になっている。主役だけを見ていればいいという劇ではないのだ。面白い。

そして彼らの来ているその衣装。とてもゴージャスで、色彩感覚がまばゆいほど素敵だ。剣もゲームに出てくるようなファンタジー風である。その剣での立ち回り。これも練習成果が見られ、十分鑑賞に堪えられる。楽しい。

何といっても美女揃い。もう見ているだけで目が星になります。らんらんと輝きます。

冒頭にも言ったが脚本が素晴らしい。こんなファンタジーを2時間大人の鑑賞に堪えられるようにした深い掘り下げ。姉と弟の二人だった勇士が一人ずつ増えてゆくゲーム展開。そして戦と魔法の世界。劇を見て5分で気づくまったく次元の違う別空間にいざなってくれるこの至福感。ああ、たまらないデス。

最高の2時間でした。演技している俳優さんたちも実に楽しそうでしたネ。