成人の日のシーンからこの劇は始まる。みんなスーツを着ている。そして吾輩は小さくて狭い場内で有名なウイングフィールドにいるのに、スーツを着ている。何故か?
よく和服を着て入場すれば割引だ、なんていうのはあったけど、今回は和服だと1500円、スーツだと1000円割引になります。こんな特典を利用するのは生まれて初めてデス。朝から実はワクワク気味。
劇の方はというと、大道具も、小道具も舞台上には何もなし。敢えて言うと、白い座布団だったり、みんなが着ている衣服が小さな美術でしょうか。その分、6人の演技に集中できるから不思議でもある。
劇は高校時代から、大学を経て、社会人になった演劇部の同窓会につながってゆく。25歳になったみんなはそれぞれ変化を見せている。
起業して社長になっている者、普通の広告代理店に勤め結婚して小さな幸せを見つけた者、寺の住職を継いだ者、金持ちに生まれていながら自分の身の置き所に迷っている引きこもり男、そして演劇に身を置き、理想からかなり外れ苦闘真っ最中の二人。
いやあ、とても至近距離からの、分かり易くしかし難しいテーマが掘り下げられる。
演劇を続けるとは一体全体何なのか。演劇と生活とを共有することの困難さ。
演劇を志す若者たち、それは俳優たちも、観客たちも痛いほどシリアスなテーマである。もちろん解決は劇では示すことはないけれど、一人一人が長い人生の道のりで考えて行かねばならない問題なのでしょう。
年当初の演劇でした。実に一年の初めにあたり、僕にも、勿論俳優者たちにとっても考えさせられてしまった劇であった。
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