劇団新感線の『港町純情オセロ』を観てきました。
出演は橋本じゅんさん・石原さとみさん・大東俊介さん・粟根まことさん・伊礼彼方さん・田中哲司さん達です。
じゅんさんは前回の作品で腰を痛めて降板し、これが復帰作品になりますね。冒頭から何度も『腰は大丈夫ですか?』と聞かれていました(笑)
物語はブラジル人と日本人のハーフの男、オセロ(橋本じゅんさん)は、遠い南米から海を渡り、流れ流れてヤクザばかりがたまる場所についた。時は1930年、たぶん関西。
オセロは病院長の娘モナ(石原さとみさん)と結婚するのだけど、ヤクザの抗争も勃発する。
ミミナシと呼ばれる(右耳がない設定)の若頭、伊藤(田中哲司さん)が己の私怨から、次々と周囲の人の耳をたぶらかす・・・・・・まずはインテリで次期若頭に指名されている汐見秀樹(伊礼彼方さん)、そして酒場のオーナー三ノ宮(粟根まことさん)、さらに自分の妻とその弟を良い様に使い、モナが汐見と浮気をしているとオセロに流す。
結末はもちろん悲劇・・・・・・とても切なかった・・・・・。
噂ばかりに惑わされて、大切な事が見えず、大切な物をなくしてしまい、その大きさと自分の愚かさに気がつくオセロ・・・・とにかく悲しかった。
そして、知らぬ事とは言え、オセロとモナを裏切る事になってしまった、ミミナシの義理の弟沖本准(大東俊介さん)の嘆きと後悔の涙にじわっときました。とてもつらかったと思う。大東さんはおかまちゃんの役なのだけど、良い芝居でした。
一番の悪であるミミナシを演じた田中哲司さん、二枚目ではないけれど(失礼・・・)舞台を拝見するたびに存在感のある方だな~と思います。背も高いから、とっても素敵です。
今回ダンスシーンがありまして、田中さんのダンスってイメージないのだけど、本人もかなりプレッシャーだった様子です。ダンスといってもパラパラみたいな感じなんですけどね。
そのダンスについて、舞台上でじゅんさんにやたらと・・・・・いじられていました。
笑いをこらえられず、田中さんは後ろを向いたり、目をつぶったりしてましたから~~~その直後、膨大なセリフですから、ふいてはいられないですよね~~。そのこらえる姿に、拍手でしたよ。
話は変わりますが、インテリヤクザの伊礼さんを観ているうちに、ふと・・・・・思いました。一条ゆかりさんの『有閑倶楽部』ってマンガを知っている人は、思い出してください。その中に出てくる菊正宗清四郎くんの役、ピッタリではないかしら・・・・・・・
橋本じゅんさんもその話の中の、悠理の父にピッタリだと思うし、実現したら面白いかも・・・・(笑)
面白くて大笑いして、最後にじわっと悲しくなって、でもやっぱり大笑いした新感線の舞台でした。