こまつ座の『芭蕉通夜舟』に行ってきました。
出演は坂東三津五郎さん。一人芝居ですが、黒子の方4人が、進行役を受け持ち状況を説明してくれるので、とても分かりやすかったです。
三十六句からなる歌仙に倣って三十六景の場面で成り立つ舞台。オムニバス形式のような形なので、やはりより分かりやすかったように思います。
井上ひさしさんの言葉遊びがふんだんに盛り込まれていて楽しめます。
芭蕉の生涯です。歌を詠むにあたって「面白み」や「新しみ」などの表現方法を取り入れるのですが、その技法が自分の考えとは違う形に取り入れられて悩んでしまいます。
観ている側からすれば、そんなとらえ方でもいいんじゃないかな?と思うのですが、芭蕉さんは苦悩するのですね。苦悩しながら、もう一度旅に出て、最後は亡くなり、棺に入れられて通夜舟で運ばれてきます。自分の思いが、分かってもらえないまま亡くなることにとても悲しさを感じました。
舟で運ばれてくる時は、三津五郎さんは船頭さんになっています。これが全くの別人に見えてしまったから不思議です。今のいままで、芭蕉さんだったのに・・・・さすがだなぁ!と思いました。
カツゼツの良さも、心地よいです。とっても聞きやすかったです。
ところで、こまつ座の公演に行くと、必ずプログラムを購入します。こまつ座のプラグラムは読み応えがあり、文章が多いのが特徴かな。でもね、買ったことで安心して読まずに片付けてしまうことが多くて・・・・・・。読んでも斜め読み・・・・絶対にしっかり読んだら面白いと思うんだけどね。