二兎社の『兄帰る』を観てきました。
出演は鶴見辰吾さん・草刈民代さん・堀部圭亮さん・伊藤由美子さん・小豆畑雅一さん・枝元萌さん・藤夏子さん・二瓶鮫一さんです。
二兎社の作品は二度目です。昨年観劇した『こんばんは、父さん』からファンになりました。
日常の何気ない会話が笑いになる。そんな舞台で、肩の力を抜いて観ることが出来ます。自然に笑いが出てきて、ふふふ・・・・なんで可笑しいのだろうなんて考えたりして。日常の中にもいっぱい笑いは落ちてますよね。
16年前に失踪した兄(鶴見さん)が突然戻ってきたところから、話が始まります。
何故、失踪したのか・・・・弟(堀部さん)のお嫁さん(草刈さん)は、よく知りません。
お姉さん(伊藤さん)は大激怒!!!「出て行って~~」と叫びだす。
このお兄さんを就職させ、独り立ちさせるまでのドタバタなんですが・・・。
お兄さんは借金をして会社のお金を横領して失踪してたことが、後半になってわかります。
ずっと笑いの連続だったのですが、最後の最後はお兄さんの本当の姿が出てきます。鶴見さん、怖かった!!
お兄さん、結果的には事業をやりたくて、弟を連帯保証人にしてしまい実印も探し出して押してしまう。印鑑証明を探し回る。そんな姿を草刈さんがギリギリのところで知り、保証人は免れるのですが・・・・。
正論とは何か・・・・と言うのも、物語の大きなテーマになっています。
お兄さん中心に話は進みますが、仲の良くない叔母と叔父の関係。肉親だからこそ言えない事、言えること。そして、草刈さんの息子が所属する野球部の世話係を通して、大人の人間関係の複雑さ。
草刈さんはキャリアウーマンと言う雰囲気をかもし出し、正論を通して社会生活しているように思えるけど・・・・・・最後に鶴見さんに、ずばりと言われてしまう。
物語はすっきり解決と言う形でなく、終演後に観劇した人が色々と考え思うという終わり方をしています。
確かに正論だけでは世の中渡っていけない。正論だけど、それを通すっていうのは、かなり強い心がないとダメだよね。
二兎社、ますます好きになりました。