ぷ~さんのブログ

観劇、読書、趣味の手作りなど、日常で感じたことを書き込んでいきます。

読書21(八月十五日に吹く風)

2022-09-28 10:04:33 | 読書
松岡圭祐さんの『八月十五日に吹く風』です。

戦争中の話。
キスカ島に取り残された5200人の救出劇。奇跡の生還と言われている
知らなかった…。

アッツ島の玉砕があり、その後の出来事。

お国のために人命を軽んじ、易々と玉砕命令を出す、戦死をしても一億玉砕を訴え死を選ぶ野蛮な日本人。占領下における統治をどうすべきか…厳しい事になるのを政策転換の決め手となったキスカ島の出来事。
知らなかった…

占守島、アッツ島にしても知らないことばかり。

この本の何よりの驚きは、登場する人物が全て実在しているということ。

アッツ島のような事はしてはいけないと動く樋口季一郎、キスカ島救出の司令官となる木村昌福。

無益な死を見過ごさない。命の尊さを全編にわたり訴えてくる。
戦中の軍隊に少なくとも命を大切にした軍人がいた事、それだけでも感動する物語だった。

昭和18年7月の出来事。キスカ島は米軍に包囲されている。
いかに突破するか。
北の最果ての島、霧をひたすら待つ。
霧の予想、駆逐艦隊を見つけられないよう擬装する工夫、全てが合わさったとき奇跡が起きる。

助けられた5200人はその後どうなったのか…終戦まであと2年、再び出征してしまったのだろうか…

こんなこと二度としてはいけない。
戦争を知らない世代が増えていく今(私も含めて)、多くの人に読んでもらいたい1冊。
考えてほしいと思う。
コメント
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