歌舞伎座に行って来ました。4時半開演で、終演が9時半!!!長かった~~。
演目は『菅原伝授手習鑑の寺子屋の段』『粟餅』『ふるあめりかに袖はぬらさじ』の3つです。
「寺子屋」・・・テーマは武士道です。ある若君を匿っているのだけれど、上からその子供の首をよこせ!と、命令が下る。困ったことだと思案にくれている寺子屋の先生(海老蔵さん)、身代わりに差し出せるような子はいないし・・・・。そこへ、小太郎という子が寺子屋に入る事になる。礼儀もあり、他の子と比べても器量が良い。そこで、身代わりに決めちゃう。文章に書くと海老蔵さんがとんでもない人に思えるけど、ここまで来るのにとっても悩んでいるわけです。
悪い上司が、子供の首をもらいうけに来る。泣く泣く、小太郎の首を渡す。首をあらためるのは勘三郎さん。海老蔵さんはドキドキよね。ところが、「相違ない!」と勘三郎さんが言い、帰っていく。でも、その後に、小太郎君の母親(福助さん)が迎えにくるのね。
海老蔵さんは母である福助さんまで殺そうとするのです。福助さんは、その殺気をいち早く察して、「わが子は役に立ったか?」みたいな事を聞きます。実は勘三郎さんと福助さんは夫婦で、若君を助けるためにわが子を差し出したのね。
そんな事をしらない海老蔵さんだけど、ねらいどおりに事を運んでくれたわけ・・・・
悲しい話です。母である福助さんが、嘆き悲しむのだけど、もらい泣きです。私なんて心が狭いから「何が武士道だ!何が、若君だ!」って思っちゃうよ。ほんと悲しい話だった。
「粟餅」・・・これはめでたい、踊りです。杵蔵と臼蔵ののふたりが、粟餅をついているという舞。あっと言う間に終わってしまいました。橋之助さんと三津五郎さんの演目でした。
「ふるあめりかに袖はぬらさじ」・・・これは、藤山直美さんの舞台を一度みているので、一層分かりやすかったです。
芸者お園に坂東玉三郎さん。歌舞伎の女形はみなさん、所作がきれいでうっとりしますね。
この話は歌舞伎と言うよりも、普通のお芝居。原作は有吉佐和子さんです。ところどころに、笑いがあり、楽しいのです。玉三郎さんの間合いも、面白かったです。存在感はさすがですね。
自害する花魁に七之助さん。はじめは病気で寝ているので、薄化粧なのですが、途中花魁姿で出てくると、みごとでした。何がって、キレイでした~~。
女形で言えば、春猿さんは芸者で、笑也さん・福助さんは遊女で出演します。春猿さんはどこからみても、キレイですね。春猿さんの舞台はこれで2度目ですが、ますます気になる存在です。
笑也さん・・・きれいな方なのに、とってもユニークな遊女で別人になっていました。そして何よりも福助さん・・・遊女名マリア(外人さんを相手にするのです)、怖かった~~~一つ目の演目の母親役がうそのようでした。
この話は横浜が舞台で、もうすぐ明治になる頃、花魁亀遊(きゆう)が、外人に指名され自害してしまう。その事が、攘夷論者の美談となり、話に尾ひれがつきどんどん広がってしまう。本当は、好いた人に(獅童さん)花魁姿を見られたりしたことも、影響しているんだけどね。花魁を妹のように思っていた、お園も語りべとして生活していく事になるんだけど・・・・最後は・・・
玉三郎さんを堪能した舞台でした。
良い舞台だったのに、ひとつだけ不満が・・・・前に座っていた親子、前傾姿勢プラス体を左右に揺らし、全く落ち着かない!最悪だった。どうも、歌舞伎座と新橋演舞場はマナーの悪い人が多い気がする。参ってしまうよ・・・・。
大体、座席も見づらいのよね。