「神国思想」と聞くと、日本を「神の国」であり、ゆえに特殊で優れた国なのだとする言説を思い浮べる人が多いのではないだろうか。しかし実際には、同じ神国思想であっても、以下のように変化してきたことが上記の動画では説明されている。すなわち、
1.中世
本地垂迹説=仏教上位としての神仏習合が観念されており、かつ仏教にとっ . . . 本文を読む
なるほど赤穂事件に到るまでの経過分析ね。浅野が切腹した後の対応策を会議する場面については、苦しい状況で威勢のいいことを言いたくなるメンタリティと、それに流される周囲、その中での組織のハンドリング方法が分析されていて、特に興味深いわ。当時は綱吉時代でちょうど武断政治から文治政治への過渡期で戦国の気風とともに中世的自力救済の意識が残っていたこと、そし . . . 本文を読む
「ポルトガル」と聞くと何を連想するだろうか?おそらく多くは、大航海時代に種子島へ来航して鉄砲を伝えたこと(南蛮貿易)を挙げるだろう。しかしそれ以外となると、ほぼ同時代のマカオへの定住、少し飛んで1580年におけるスペインへの併合、さらに飛んで、ナポレオン時代終焉後のブラジル帝国建国、そして20世紀前半のサラザール独裁、後半のア . . . 本文を読む
ウクライナ戦争は今も続き、日々新しい情報が更新され続けてはいるが、情報の整理であるとか、この事象からどのような教訓を引き出すかといったことも継続的に考えていく必要がある・・・というわけで、この戦争を振り替えるような配信を二つ掲載してみた。
小泉が何度も指摘しているが、「ウクライナ側=絶対善、ロシア側=絶対悪」 . . . 本文を読む
最も忌むべきことは、単に無知であるがゆえの鷹揚さを、寛容さだと誤解するような向きだろう。きちんと実態や背景を知った(=悲劇の共有の)上でそれを赦すとか、手打ちに応じるとかいうのならともかく、何も知らず、知ろうと努力もしていないから問題を問題として認識しない・できないというのは . . . 本文を読む
「江戸しぐさ」というものが取り上げられたのは2000年代に入ってからだが、今日ではその存在が根拠薄弱なものとして否定されている。資料が残っておらず、しかも資料が残っていない理由が全て口伝だったからとか、しかもそれを知る「江戸っ子」たちが大虐殺されたからだなどという主張に基づいているのだから、当然と言える。
「江戸しぐさ」のフィクション性は論を俟たないとして、なぜそんなものがかつて主張され、多少の . . . 本文を読む
『イデオロギーとユートピア』という本で、ある集団の来歴を分析する手法=知識社会学が提唱されていたので、ここではいわゆる「ネトウヨ」の土台をなしているとされる「シニア右翼」の来歴について述べた動画を紹介したい。
「シニア右翼」とはいわゆる「ネトウヨ」と呼ばれる発言をする人々の土台が50歳以上の中高年者で、そうなる背景(遅れてきたインターネットユーザーで、そこでの . . . 本文を読む
これは大変素晴らしい動画だ。要するに、「人食い人種」というのは、見知らぬ他者に対する差別的レッテルとして機能してきたということだな(この点、製作者が「ここで扱う『人食い』とは個人的嗜好や飢餓状態によるものではなく、慣習として一定規模の集団が実践している事例を指す」としっかり定義しているため、話の軸がブレていないのも特筆すべきだろう)。
例示の中 . . . 本文を読む
「江戸時代に戻ればいい」といった言説が全くバカげているという話は何度かしてきたが、その理由は
1:移動の制約
2:階級移動の制約
3:情報の制約(国内・国外とも)
4:1~3による共通前提の大きさ
5:農業を主体とする産業構造
といった江戸時代の前提を完全に無視しているからだ。
言い換えれば、現代社会のようにヒト・モノ・情報の流動性 . . . 本文を読む
政治体制と権力者の行動パターンが平易に説明されていてわかりやすい。要するに、人間とはその状況に合わせた合理的行動を取るものであって、それを善悪で説明しようとするのは単純すぎる、という話だろう(ウェーバーの言葉が思い出される)。だからその「合理性」の要件を変えることが権力者の行動変化には必要なのであって、ただ権利主張をしたり、ましてただ情に訴えるような行動は愚の骨 . . . 本文を読む