フラグメント233:言説の交換・AI発達と社会の分断促進

2020-05-02 15:00:00 | フラグメント
今回は性愛・交換可能性・AIの発達・人間の中の分断に関する話。前者は「言い分を交換してみよう:Tバックと下ネタとセクハラと」、後者は「AIが『不完全な神』であれ、他者という『ノイズ』を嫌う者はそこにコミットする」という記事としてまとめている。
 
 
両者は別の話をしているように見えるかもしれないが、二つを総合すると、要するに「大局的に見れば、おそらく今後他者との溝は埋まらないし、むしろどんどん開いていく」という話である。
 
 
多少の地域性やお国柄はあるから、世界で同時進行ということはもちろんないだろう。しかし、分断が進んでいる欧米で徐々に熟義というものが機能しなくなってきている(正確に言えば、熟義をする対象=我々の範囲で合意形成ができない、というのが正しい)のを見れば、欧米もいずれ日本と近い道を辿ることにはなるだろう(その意味において、日本は一人負けというより「衰退先進国」と見るのが妥当であり、その背景などを考えるのは必ずしも無駄ではないと私は考える。なお、この見解が正しいならば、時に見られる「周りの国だって~な問題を抱えてるじゃないか」という物言いは全くのところ無駄だということだ。末期ガンの患者がステージ2の患者を指して「あいつらもガンじゃないか」と言うようなもので、自分の問題解決には全く寄与しないからだ)。
 
 
こういった変化について、私達は今様々な例を目の当たりにしている。たとえばマスクをしている人間=異常とみなしてきた(つまりは東アジアとは異質に見えた)欧米も、結局は「死」というリスクの前にはマスク義務化という選択を取らざるをえなくなったのは周知の通りだ。多少大げさに言えば、疫学的な必要性が(パンデミックの抑止=公共の福祉という観点もあって)文化・社会をも変えたのである。それなら、性愛のあり方や熟議文化の今後はどうか?と考えるのも荒唐無稽なことではないだろう。
 
 
こういった事例で私が思い浮かぶ例は、ペットを飼う行為である(以下はペットを飼う=悪という話ではないので悪しからず)。日本ではペットショップというものが大量にあり、大量の殺処分がされていることは今さら言うまでもないが、そうすると例えば、生身のペットと触れ合いたいという現在の傾向も、殺処分をなくすためという観点からは十分否定する材料となりうる(もちろん里親制度を充実させるといったその中間的な取り組みは様々可能)。
 
これだと動物虐待や糞の被害、周囲の人間をケガさせるといったリスクは存在しないわけで、すると生身の動物をVRなどに置き換えることは、動物愛護という観点からも肯定されるのではないか?という見方もできるのだ(要するに、「生身の動物よりVRの方がお手軽だからそっちに乗り換える」といった飼い主側の単純な嗜好の変化だけを考慮するのは間違いということ)。この件は人間の食糧についても話が及ぶのだが、長くなりそうなので機を改めたい。
 
 
つーか、2018年はほとんど似たようなテーマばっか書いてんなwまあ人工知能関係の話が、これまで書いてきた「ノイズ排除」や「沙耶の唄の傑作性」など、色々なことにつながってるからってことなんだろう。
 
 
 
〈言説を交換してみる〉 2018/11/26
あー、セックスしてーと言ってたら、ババアに無理やりキスされて股関を触られました。まじふざけんな!
だって、セックスしたいんでしょ?いやそれは誰でもいいって意味じゃねーし、襲われたくはねーよ。
 
Tバック履いてたら、めちゃめちゃボディタッチされてキスまでされました。まじふざけんな!
 
だって、そんなもん履いてるんだからエロいことされたいんでしょ?いやそれは誰でもいいって意味じゃねーし、少なくとも無理やり襲われたくはねーよ。
 
 
 
〈無題〉 2018/11/26
需要供給曲線。
AIの件。人にとって変わる。万能ではない。せめぎ合い。マジックワードの危険性。
 
しかしいつも思うのは、人間に対する期待の減少とパラレルという発送が欠落してんなーということ。近代民主主義の限界。ポピュリズム。可視化。認知科学の発達。人間の動物性。もっと昆金。5246世紀が1エロサイト。VR技術の発達。もはや日本人はセックスしない?
 
要するに、他社との を諦める。さらには生身の人間にコミットするコストをかけるより、不完全でいいんで自動的に望む反応をしてくれる機械がほしがるようになる。脆弱な自意識の肥大。それはますます生身の人間からの逃避を招来する。人間の完全なコピーであることも、ましてや人間を超える必要もない。
 
別に真実なんて探求したくない、サプリメントを求める反応の数々について批判的に言及してきたが、サプリメントを求める人にとってはオートマチックな反応でいい。むしろノイズは邪魔。自己主張なんてされたくない。すごーい、たーのしーと機械的に反応してくれる自動機械に側にいてほしい。
 
承認は?マイノリティリポートには賞賛されるVRに耽溺する人間が出てくる。それさえ自動機械で担保するようになる、できるかもだぜ。まあキャンD的に夢から覚めたらギャップで死にたくなるほど憂鬱に苛まれるかもだけどな。
 
これだけ脊髄反射の生き物が跳梁跋扈してるなら、
 
まあ上座部的な気付きは可能かもしれんけど、大乗は無理ゲーでしょ。

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