東塔から移動して西塔エリアに向かう途中にある山王院。
歴史を感じる&素朴な造りだなあ(小並感)。元は円珍派の本拠でもあり、天台宗の派閥争いの一コマを象徴する存在となっている。まあ後には浄土宗や浄土真宗、日蓮宗といった鎌倉仏教と呼ばれる諸宗派が比叡山で学んだ人々によって開かれることを思えば、些細なものかもしれないが。
延暦寺・天台宗は言うまでもなく最澄が開いたものだが、一般によく知られているのは「弘法も筆の誤り」などで有名な真言宗を開いた空海の方だろう。しかし、宗派という単位で見た場合の歴史に与えた影響の大きさは圧倒的に天台宗と言ってよいのではないだろうか。もちろん真言宗も高野聖や高野詣(巡礼ツーリズムも参照)などは有名だが、京とほど近い位置に存在して常に政治と影響関係にあり、しかもそこから歴史に大きな影響を与えた諸宗派を生んだ天台宗ほどには、存在感はないと思えるのは私だけだろうか?もちろん、政治と深く関わり歴史の前面に大きな影響を与え続けた天台宗(比叡山)と、そこから距離をとった真言宗(高野山)というスタンスの違いと考えた方がより適切なのかもしれないが。
階段を下りて次なる目的地へ。
浄土院に到着。最澄の廟が存在するだけあって、非常に整然かつ静謐とした空間という印象を強く受ける。思わず襟を正さずにはいられなくなるような「磁場」だと感じた。
先ほどの山王院との違いに思いを馳せながら少しゆっくりしたところで、次の目的地を目指した。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます