反面教師的韓国旅行:旅立ち編

2018-10-30 12:19:36 | 韓国旅行

「計画」とは、不安にかられたる者の消極性に基づく逃避的行為の一環であつて、絶対死守の情熱を持てる者には行動の中で自ずとその道が示されるものである(「無駄口憐爺回想録」より)。

 

韓国旅行へと旅立つ日の午前3時過ぎ。私は予定の確認と荷物の配備に追われていた。前日まで長期の出張に行っており、その前は出張の準備に追われていた・・・というのは建前で、敬愛する花山薫の顰に倣ってノーガード戦法を積極的に採用していたのである(こじつけ)。

 

 

フェリーの時間を念のため確認(筆者注:この写真の会社と実際に予約した会社は違っており、当然出航時間も間違っている)。このような体たらくであるからして、そもそも釜山のどこに行くかなど決めているわけもないが、そこはそれ、我が魂が正しき場所を指し示すであろう・・・と妄言を吐きつつ就寝。

 

予定通りの時間に起き、日暮里駅まで到着する。当然予定のスカイライナーには間に合う時間である。さて・・・と独歩先生よろしく悠々と券売機に歩み寄ったが、事前に調べた搭乗時間より数十分遅い便しか表示されない。こはいかに・・・と確認してみれば、希望の時間はすでに予約で埋まっている・・・だと!!??そう、時はお盆直前であり、海外旅行に向かう人間は多いのが必定。そこで予約を怠った私の敗北なのである。

 

のっけからのあべし展開に多少鼻白んだが、気を取り直して次のスカイライナーを購入し、待ち時間を活用して昼飯と釜山の案内本を買う。ちなみにこれは「流留武」といって旅人の間では日本国旅券の次に重要なものとされているらしい。つまり、これを手に入れるということは孫子とジェミニとクラウゼヴィッツを味方につけたようなもので、勝利は約束されたようなもの。むしろ敗北を知りたいくらいだ(フラグ)。

 

この準備を思えば、一本電車に乗り遅れたことはあたかもマニフェストディスティニーのようだ、と世のツアーコンダクター達を卒倒させそうな想像をしつつ、昼食&釜山の状況調べ。ほほう、俺が行く海雲台というところは有名なビーチなのだな。まあ泳ぐ予定のない俺にとってはどうでもいいが(・∀・)とりあえず空港からそこへ向かう経路は・・・と。

 

そうこうしているうちに電車が来たので、乗り込んで本を読み続ける。大よその予習が完了した頃に成田空港へ到着。まず目に入ったのはWi-Fi貸出所だが、何を血迷ったか「使い捨てWi-Fi」について質問し、受付嬢を混乱に陥れる。しかし一本乗り遅れて時間にそこまで余裕がない我は、そこに説明を加えることもなく出発ロビーへ(このような行為を「質問テロ」と名付けよう)。

 

次は発券のためエアプサンの受付に行くが、他と違って結構な人の列ができている。そういえばTGみたく事前にe-checkinとかできたんだろうか、と後の祭りにも程があることを疑問に思い、どのくらいで順番が進むのかと少し不安を覚えながら見ていたが(前の20~30代と思しき女性が韓流ドラマをスマホで見ている等周囲を観察して暇つぶし)、かなりスムーズに人が捌かれていて20分程度の待ちで順番が来た。そこで名を名乗ったまでは良かったが、怪訝な顔をされてパスポートを求められる。アア、オワッタ!というポプテピ的なことはさすがに無く、スマアトに旅券を差し出したが、それにしてもこの魯鈍な反応ぶりはナマケモノもかくやというレベルである。

 

ここにきて私もさすがに気づいた。なるほど私はこの旅が億劫になっているのだな、と。だから、あわよくば何かしらの事情で旅がダメになってしまうことを無意識のうちに望んでいる。その結果がここまで杜撰な行動として表れているのだ。そうフロイト的解釈で自己正当化を成し遂げた私は、じっと旅券を見てこれからの死亡遊戯(訳:韓国旅行)に思いを馳せるのであった。

 

アナリシス:自分が間抜けな行動を取った時は、フロイト先生の無意識理論が自己正当化に超使える


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