A Slow Life of Mister Masuda

定年退職後のスローライフを公開!

白骨温泉

2008年05月17日 17時57分43秒 | 家族行事
5月10日(土)


ここ白骨温泉は大正時代に中里介山の長編小説『大菩薩峠』で
白骨温泉の表記が登場してからは、呼称は「白骨」で統一されるようになっていった。

600年の歴史を誇り乳白色の温泉がこんこんと湧く白骨温泉。
上高地と乗鞍の谷間にある山ひだの湯は日本屈指の秘湯だ。

大正から昭和初期にかけては若山牧水・芥川龍之介・与謝野晶子・三好達治など
そうそうたる文人・歌人がこの温泉を好んで訪れた。

我々はグランドホテルに投宿。
ミスターマスダも早速温泉気分。



露天風呂も中々グー。
小雨降るの霧の立ち込めた谷間の眺望
鄙びた温泉から立ち昇る湯気はかすかに硫黄の匂いがする。
如何にも健康・お肌に良さそうなお湯だ。

脱着所に太田蜀山人の歌の掛け軸が掛かっている。
この露天風呂から詠んだような歌だ。

山あれば 山を観る
雨の日は 雨に聴く
春夏秋冬
あしたも よろし
ゆうべも よろし





部屋から見える小雨けぶる山々が幻想的。
高地なので桜がまだ咲いているのが見える。
今年は桜についている。



贅沢を言うようだが温泉旅館の食事は好きになれない。
全部一度に目の前に並べられライターで小さな鍋の下の白い塊に火を付けてゆく。
日本料理は食堂の定食ではあるまいし暖かいものは暖かく冷たいものは冷たく
一皿ずつサーヴィスしてもらうのが良い。


ところでこの温泉では社会面を賑ぎあわせた 入浴剤問題がある。
2004年7月、日帰り浴場の「野天風呂」をはじめ、一部の旅館やホテルで
入浴剤(草津温泉ハップ)を混ぜていたことが発覚した。
入浴剤混入の動機は、1996年頃より十数ヶ所ある源泉の一部において
白濁が薄くなったこととされている。
一連の問題への対応として、長野県では温泉の信頼回復を図るために
「安心・安全・正直」な信州の温泉表示認証制度 を2004年11月に創設した。

白骨温泉の騒動をきっかけに、日本中で温泉の利用表示などについての問題が発覚し、
一連の温泉偽装問題として大きくニュースで報道された。

それは兎も角 今は真面目に営業をやっているようだ。
泉質は含硫黄-カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩温泉(硫化水素型)
胃腸病、神経症、婦人病、慢性疲労などに効能があり、
その昔「白骨の湯に三日入ると三年は風邪をひかない」とも言われた。

湧出時には透明な温泉が、時間の経過によって白濁する。
白濁の要因は、温泉水中に含まれている硫化水素から硫黄粒子が析出すること
及び重炭酸カルシウムが分解し炭酸カルシウムに変化することである。
浴槽の淵などには白い炭酸カルシウムの固形物が付着している。





鄙びた温泉地であるのは歌碑ぐらいのものだが
谷川のせせらぎ それに架かる吊橋など散策などはお勧め。



10時チェックアウト
これより上高地に向かう。
雨なので余り景色は期待できないだろう。
昼食を上高地帝国ホテルでとれればそれで良しとしよう。