7月までは青々と茂っていた道路わきのカラムシの藪、ふと気づくとご覧おとおり葉がなくなっていました。おびただしい数の幼虫がせっせと葉を食べています。その食害された葉の変化を見ていると毛虫が発生したと思われる地点から徐々に拡大していくのがわかります。当初は1日1mほどの範囲での変化、次第に数mの範囲になって次には右からも左からもで見る見る葉がなくなります。刈り払い機で草刈をしたほど綺麗に草がなくなります。凄いですね。昆虫の力恐るべしです。
食害する犯人はフクラスズメという蛾の幼虫でイラクサの仲間の草をこの時期食べつくします。カラムシがなくなればアカソなども食べますから里山で良く見られる草のかなりの部分が彼らの食料になります。あるカラムシ群落を食べつくすと一斉に移動するみたいで、その場合直ぐに隣接する場所というのではないケースもありました。あるカラムシ群落を観察したケースでは、食いかけでまだ十分に葉量があるにもかかわらず、一匹も毛虫が見当たらないところもあり、数m範囲を探してもどこにも居ません。かなりの距離を移動したようです。誰がそういう命令を下して一斉に行動するのでしょうか。興味深い行動です。