森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

アマミセイシカ

2012年03月14日 | 自然観察日記
県立植物園に訪れたときちょうどアマミセイシカが花盛りでした。絶滅危惧種で奄美大島特産の常緑ツツジです。葉はやや大きいアセビの葉のようで、花には上部の裂片には黄緑色の斑点があります。「セイシカ」は「聖紫花」だそうで、うっすらと紫色をしたやさしいツツジでした。
ところで、この植物園はツツジの収集に力を入れているようで、各所外国種のツツジが植栽されています。何種か花を付けているものもありましたが、花はこれからというところ。それはそうと、この温室ができてかなりの時間が経ちましたが、植栽されている樹木が元気がありません。この園にくる楽しみの一つバオバブの大木もとうとう枯死していました。そのほかにも多くの種に力がありません。生き物ですからある程度のロスは計算されてはいます。園の使命の一つに貴重種の育種があると思いますが、自生地で保護できないと考えられる場合は十分な配慮の元環境を作って技術の知識を持った人が育種をすることが求められます。展示されるものは保護レベルが低めなのかもしれませんが、増殖がままならない種を自生地から移動させて結局枯死させてしまうのは残念でなりません。