森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

エビネ

2013年06月04日 | 自然観察日記
久しぶりにエビネの自生地を点検に行きました。前回は4年前、個体群の大きさはほとんど変化がありませんでしたが、開花株が少なくボリュウムにかけます。取り巻く環境はさほど変化していないようでしたから、何もせずそのままにしておきました。険しい場所ですから人が簡単に立ち寄れることはないとおもいます。同じような環境がみつかれば株の一部を移植して絶滅から逃れさせる手立ても必要ではないかと考えています。県内の自生地は私が把握しているのは唯一ここだけ。安易に人に教えることはできません。最近の気象の変動が大きいのが気にかかります。絶滅危惧種に与える負荷が増大しているからです。大雨で土砂の崩落などが起これば一瞬のうちに死滅してしまいます。

エビネ 花

2013年06月04日 | 自然観察日記
エビネは神奈川や静岡の里山で何度か見たことはありますが、県内ではきわめて少なくまず出会えません。高所にサルメンエビネは少数ながら自生地を把握しています。しかし、エビネはないですね。花は整った形ではあっても素朴な色彩でどことなく哀愁を帯びて見えます。消えゆく種の悲しさでしょうか・・・。結実し散布された種子が拡散し生き残ってくれればいいのですが・・・。